2020年5月29日金曜日

忽然と姿消え(アマガエル)


 毎日アマガエルたちの姿を見るのが楽しみでした。夜には、庭にイスを出して、カエル合唱団に耳を傾けました。三匹のカエルに、名前も付けました。ケロタにケロコ、ピョンタです。ケロタは大将です。十日間一人で鳴き続け、ケロコとピョンタを呼びました。小さな体のどこから、こんなにも大きな声が出るのかと不思議に思うほどの大きな声でした。
マドモアゼルのケロコを、ムッシュのケロタとピョンタが囲み、二重唱が始まります。ケロタは相変わらずの大きな声で、ピョンタは少し遠慮がちに控えめに歌います。歌い始めも終わりも、あうんの呼吸でぴったりです。それには本当に驚きました。そんな楽しい日々が九日間続きました。

ケロタの散歩

緑の葉に乗るとすっきりツートンカラー

夜になるとのどを膨らませ大きな声でなきます

ピョンタは少し小さいようです

タライの左がケロタ、右がピョンタです

鉢の下が私の家です ケロコ

夜になると少しお散歩 コンクリートの色で登場
 そして二日前のことです。朝からアマガエルたちの姿がありません。ぶどうの木の植木鉢の底に開いた小さな窓から、つぶらな瞳で顔を出すケロコがいません。どこへお出かけしたのかなと思いながら、夜のカエル合唱団を待ちました。日没から始まるケロタとピョンタの二重唱を期待しましたが、一向に声は聞こえず静まり返っています。突然、旅立ちの日が来たのかと、悲しくなりました。何か異変が起きたのかと思いました。アマガエルの生態は知りませんが、突然旅立つのかとも思いました。楽しかった日々がよみがえります。「あいさつなしでどこへ行ったの~」と、叫びたいほどです。気持ちは沈んだまま一日が終わりました。あきらめ悪く、二日目も期待しながらアマガエルたちの姿を探しました。姿はありません。いよいよお別れの時が来たのだと、自分に言い聞かせました。失意のまま夕食を食べている時です。7時半ごろでした。庭から二重唱が聞こえてきました。あわてて窓を開けました。窓のすぐそばにケロタの姿があります。ライトを当てるとこちらを見ています。
  
ケロタ 壺の色に変身か?黒い色が消えています。


ピョンタとケロコはわかりません。二重唱が聞こえたので、近くにピョンタはいるはずです。こんな不思議なことが起こるとは、予想もつきませんでした。でも帰ってきてくれたのは事実です。外へ飛び出した私は「どこへ行っていたの?おかえり!おかえり!」とケロタに話しかけました。こちらの言うことを静かに聞いています。人間とコミュニケーションがとれると思えるほどの、アマガエルたちです。またしばらくカエル合唱団を聞くことができると、ハッピーになっています。

2020年5月28日木曜日

命の誕生(4)


 お母さんメダカが産んだたまごが、次々と孵化しています。十匹までは数えられましたが、それ以上は数えられません。二十五匹以上いるように思います。大人メダカ、お母さんメダカ、早くに孵化したメダカ、新しく生まれたメダカ、飼育係のポアロはそれぞれ別の住まいを用意しています。ホテイアオイを入れたり、藻を入れたり、日よけをかけたり状況に応じた世話をしています。


メダカの赤ちゃんも、赤ちゃん用のエサをしっかり食べます。小さすぎて、見つけるのも大変だった赤ちゃんメダカは、すくすくと成長しています。成長を見守り続けようと思います。生き物の成長は楽しみです。

2020年5月27日水曜日

新しい生活様式


 新型コロナウイルスと人類との闘いが続いています。日本では、緊急事態宣言が全面的に解除されました。外出自粛や休業要請も、徐々に緩和されるそうです。政府からのマスクは、まだ届いていません。国民一人あたりへの特別定額給付金十万円は、申請要請書の送付が始まり、早い人ではもう振り込みがされています。

コロナ感染拡大を防止するため、これからの新しい生活様式の論戦が始まっています。人がたくさん集まる場所、映画館や劇場等では、以前のような客席ではありません。座席数を減らし、人と人との間隔を広く空けています。行列を作る時にも、人との距離をとって並びます。人との間隔は、できるだけ2メートル空けます。遊びに行くなら、屋内より屋外を選びます。人と会話する時は、可能な限り真正面を避けます。外出する時は、いつもマスクを着用します。家へ帰ったら、すぐに手を洗います。密集、密接、密閉の「3密」は、回避します。以前のようなグループでの飲み会や食事会はできません。食事の時は、大皿でなく個々の食器を使います。対面ではなく、横並びに座ります。料理に集中し、おしゃべりは控えめにします。習いものはできる限り、オンラインでします。

新しい生活様式は、まだまだあります。働き方の新しいスタイルも推奨されています。文化や生活習慣が日本とは異なる欧米では、これから大変な生活習慣への転換が叫ばれています。握手から始まる挨拶は、抱き合うハグや頬を寄せ合うチュッチュが当たり前の文化圏です。それらが一切できなくなりました。マスクとも無縁の国々でしたが、今はマスク着用が義務付けられました。これからはステイホームの時代です。家で静かに自分の趣味を深める方法です。各自がライフスタイルを模索する必要があります。人づき合いの良い人ほど、難しい時代になってきました。特に群れるのが好きな日本人にとっては、個を重要視しなければなりません。

2020年5月26日火曜日

小さな庭に咲く花々


 我が家の小さな庭が春爛漫となったあとも、いろんな花が咲き始めています。珍しい花ではきれいなセッコクの花が開花しました。数年前にポアロは苦労してセッコクの花を咲かせるのに成功しました。我が家で初めて咲かせたセッコクの花です。不思議なことに、今年は庭の片隅で花が咲いたのです。誰も植えていないのに、地植えのセッコクです。一株からいくつもの花が咲いています。 






ホウズキのかわいい白い花も咲き始めました。マーガレットは一輪が咲いたと思ったら、次々に開花し今は群生となっています。その隣には真っ赤なセイジが咲いています。





ドクダミの花は裏の路地一杯に咲き始めました。



 群生となるドクダミは、毎年近所の方がきれいに刈り取って、ドクダミ茶を作り家族で愛飲されていました。ところが今年からはそれも終わりとなりました。ご主人が高齢となられ、しんどさが出てきているので無理ということになったようです。先日その連絡が入りました。十年以上続けてこられたことですが、一つの時代の終わりを感じます。

 我が家の小さな庭に、これほど多くの花が咲くとは驚きです。庭一面に黄色いタンポポが咲き、園芸部員が植えたストックも大きく育ち、紫色のラベンダーも咲き、野草のヒメジオンやハルジオンは群生です。シャガやシランは毎年勝手に花を咲かせます。






今年の新顔はニワセキショウですすごく小さな青い花が芝生の中で群生しています。



家の外の道路際ではタンポポの花のような黄色い花が満開を迎えています。ブタクサという名前ですが群生するときれいです。



桜や桃、梅などの木はありませんが、可憐に咲く花々に見とれています。



2020年5月25日月曜日

知るを楽しむ(アマガエル)


 先日ブログに取り上げたアマガエルの「カップル誕生」の間違いに気付きました。ネット情報によると、大きな声で鳴くのはムッシュだけでマドモアゼルは鳴かないそうです。カップル誕生で二重唱しているのではなく、二匹のムッシュが鳴き声で競っているのです。勢力争いでしょうか。小さな庭に小さなアマガエルが集まってきています。緑色のアマガエルだけではありません。石とか土、コンクリートの上にいる時は、緑色から土色に変わります。とても見つけにくくなります。

 
日没になると出てきます


土色に変身するとわかりにくくなります
  


小さな体のアマガエルが、大きな声で鳴くのは不思議です。のどを大きく膨らませて鳴く姿は、かわいくて面白い姿です。日没とともに二重唱が始まります。私は庭に椅子を出して、歌うカエルたちを観察します。2メートルほどの距離を持って、二匹が歌い出します。まるで呼吸を合わせるかのように、同時に歌い始め、同時に歌い終わります。しばらく休憩すると、再び一斉に歌い始めます。タライの池の両端で鳴き比べもします。





アマガエルは人間を怖がりません。この人は、この庭の、この家の住人だと知っているようです。声もわかっているようです。面白いことを発見しました。ぶどうの木が植わっている植木鉢の下を、住まいにしているアマガエルがいるのです。植木鉢の底には小さな半円の隙間があります。アマガエルはその隙間から出入りしているのですが、私の声を聞くと、その隙間から顔を出します。そして小さな目でこちらを見つめます。コミュニケーションがとれているように思います。そのアマガエルは鳴かないので、マドモアゼルのようです。



ホオズキの緑の葉っぱの上ではきれいな緑になります

二匹のムッシュが、彼女を挟んで大きな声で歌うのです。ドラマのようです。今のところ一姫二太郎を把握していますが、あともう一匹姫が来てくれれば、二組のカップル誕生で小さな庭が一段と賑やかになります。バケツの田んぼを用意して子孫繁栄を期待しています。
暗くなると少し黒っぽくなります


広いタライで泳ぎの練習、けっこう足が長い


バケツの田んぼも気に入ったようです


2020年5月22日金曜日

命の誕生(3)


 お母さんメダカが産んだたまごが孵化しています。メダカの赤ちゃん一匹目を見つけた時は、あまりの小ささに驚きました。じっと目を凝らしてしばらく水面を見つめ続けねばなりません。見つめ続けているうちに、メダカの赤ちゃん二匹目を発見しました。たまごが一斉に孵化すると思い込んでいた私は、何度も何度ものぞきに行きます。一日目に一匹、二日目にまた一匹孵化しました。一日遅れで孵化した赤ちゃんメダカは、先に孵化したメダカより一段と小さいものです。一日の違いの差がこれほど大きいとは驚きです。お母さんメダカが産んだたまごが、まだいくつか藻に付いているので、孵化する赤ちゃんメダカの登場を楽しみにしています。

2020年5月21日木曜日

命の誕生(2)


 メダカのたまごが孵化しました。お母さんメダカがたまごを産んでからほぼ十日です。予定通りです。今のところ赤ちゃんメダカを一匹しか確認できていません。肉眼でやっと見つけられる小さい小さいメダカの赤ちゃんです。世話係のポアロが一番に見つけました。じっと見ていると動きます。泳ぎます。待望のメダカの赤ちゃんです。メダカの赤ちゃんは針のように小さいので針子と呼ばれているそうです。



 


お母さんメダカは、たくさんのたまごを産みましたが、孵化まで至るのは数少ないようです。メダカのエサにも、赤ちゃん用があります。たっぷりのエサを食べて、スクスク育ってほしいと思います。願わくは後に続く赤ちゃんメダカの誕生です。

2020年5月20日水曜日

ぶどうの木


 ポアロが昨年末に植木鉢に植えたぶどうの木がスクスクと育っています。我が家の小さな庭の片隅で、存在感を示しています。朝の爽やかな風に、ぶどうの葉が揺れています。その葉はとてもみずみずしく、きれいです。立てられた支柱にそってぶどうの木は、背を伸ばしています。かわいいぶどうの木を眺めていると、三年前のことが懐かしく思い出されます。



 三年前の夏、私たちは渡仏しました。フランスで暮らし続ける娘が、結婚することになりそのパーティーに出席するためです。東日本大震災が起こった時に、南仏で支援活動をするために立ち上げたアソシエーションで出会ったフランス人との結婚です。英語もフランス語も話せない私たちは、国際結婚という未知の世界に踏み出しました。婿殿の実家は、南仏の田舎にあります。訪問して驚きました。お父さんが暮らす家の周りには、ぶどう畑が広がっています。どこまでも続く広大なぶどう畑です。






ぶどう農家ではないのですが、あこがれの田舎暮らしをされているのです。日没となれば、周りは真っ暗です。南仏の広大なぶどう畑は、時々テレビで見る景色です。ため息が出るほどの広いぶどう畑です。その地を守り続ける人たちの苦労を想像してしまいました。パーティーでは、地元のワインが振る舞われました。その地元ならではの素晴らしいワインです。感激しました。ぶどうの木が身近に感じられました。


 私たちは、婿殿のお姉さん宅へも招待されました。都会の中のコートハウスです。小さいながらもコート(中庭)があります。季節は夏、そこでご夫婦手作りのディナーを頂きました。隅にはぶどうの木があります。年数を経て、ぶどうの木は蔓を伸ばしています。重そうな大きなぶどうの房が、いくつもあります。南仏では、一般家庭にもぶどうが身近にあります。感激しました。



 南仏で広大なぶどう畑に感動し、一般家庭で簡単に育てられているぶどうを目にし、ポアロに夢が広がりました。自分もぶどうを育てたいと思い、実行したのです。どんなぶどうができるのかと期待で胸が膨らみます。私は何もせず見ているだけですが、収穫のあかつきには一番に味わいたいと思います。

2020年5月19日火曜日

カップル誕生


 十日ほど前から、我が家の小さな庭の片隅でアマガエルが鳴き始めました。アマガエルの姿を、家族は二度見ています。親指ほどの小さなアマガエルです。夜になると、大きな鳴き声が庭一面に響きわたります。時には家の中までも聞こえてきます。小さな体で、大きな声を出して鳴くアマガエルには驚きです。田植えが終わった近辺の田んぼでは、カエルの大合唱です。小さな庭に住みついたアマガエルは、大きな声を出して彼女を呼んでいるようでした。 
どこでも登って意外な場所にいます、虫を捕るためか?

昨夜アマガエルの鳴き声が変わったことに気づきました。以前のような鳴き声ではありません。耳を澄ませば、二重唱が聞こえてきます。デュエットです。彼女ができたのです。どこから来てくれたのでしょう。小さな体のアマガエルの大きな鳴き声は、きっと遠くまで聞こえていたのでしょう。その鳴き声に応えてくれた彼女は、小さな体でピョンピョン飛んで我が家まで来てくれたのです。感動します。二匹のアマガエルの歌う様子は、幸せを表現しています。雨の中、写真が撮れました。のどを大きく膨らまして鳴いているようです。


のどの下のふくらみで鳴いています

次はこの夜やってきた彼女のようです。最初バケツによじ登っていました。

バケツの縁まで上がってきました

のどをふくらませて大きな声で鳴いています

先日我が家の野良部部長が田植えをした五個のバケツが、役に立つようです。お気に入りの場所になっています。ひょっとしたらたまごが生まれるかもしれません。小さな庭が、一段と賑やかになってきました。カップル誕生で、彼と彼女の幸せを祈るばかりです。正式には二ホンアマガエルというらしいです。 下は二重唱の声ですが少し重いので聞こえるかどうか試してみてください。