2015年6月28日日曜日

神秘的な夕焼け雲

 27日、梅雨の合間の夕方7時前後、窓の外が不思議な色になってきたので外に出てみました。日没間際の西の空に黒い雲と白い雲それと夕日の輝きが不思議な景色を見せていました。さっそくカメラをとりに行くと、刻々と表情が変わってきます。魔術の映画のような黒い雲が下がってきたかと思うと。今度は横になびく柔らかな雲に変化し、日没までのほんの10分間の間にオーロラのような演技を見せてくれました。都会の狭い空では見られないふるさとでの天空ショーでした。

上から垂れ下がった雲が不穏な動き

微妙に紅くなってきました

下を黒い雲が横切って行きます

さっきの雲は下へ襲いかかるように表情を変えてきました

少し北側は柔らかい夕焼けに

みるみる夕日を受けて紅く染まってきました

山と雲の間に日没の太陽が閃光を放ってきました

日没後の柔らかな残照






2015年6月27日土曜日

近づく夏

  梅雨真っ只中のお天気が続いていますが、六月も残すところあと数日となりました。京都の町を歩いていると、夏を迎える準備をされているのが目にとまります。京都では「設え」(しつらえ)という言葉をよく耳にしますが、今頃はちょうど夏の設えのようです。
 実家では毎年父が設えをしていました。襖を取り外し夏の建具へ、衝立も夏用に、敷物もいぐさや竹のものに、座布団も夏座布団に、扇風機や団扇も出して、最後の仕上げは風鈴をいくつか掛けることです。
 住宅事情も変わりました。マンションでは一年中襖です。洋室が増え、ドアなので取り替える必要はありません。冷暖房のエアコンがあるので、扇風機も補助的役割です。窓から入ってくる自然の風に揺れて、涼しげな音色の風鈴もぶらさげるところがありません。ベランダにぶらさげたら、うるさいと苦情が出るかもしれません。

 時々テレビで目にする京町家では、昔ながらの設えをずっと続けてこられました。夏は夏、冬は冬、といった季節が変われば、それに合わせて人の住む家の中も変える、というきめこまやかな配慮を続けておられます。日本の原風景です。昔はどこの家でもそうしたように、日本の夏という光景です。京都の夏の設えを見て、昔の日本の夏を懐かしく思い出しました。

本格的な特注すだれ

骨董屋さんにも風鈴

老舗の甘味どころではかき氷(この店は冬もやっています)


店先にメダカ

こちらは金魚













2015年6月26日金曜日

私の好きなことば「ふりむけば ご恩をうけた 人ばかり」

 先日寺町通りを歩いていた時に出会ったことばです。寺町通りには、いくつものお寺が続いています。その中のあるお寺の入り口の横に、このことばが掲げられていました。
「ふりむけば ご恩をうけた 人ばかり」
いつのまにやら還暦が過ぎ、古稀が近づいている私にとって、このことばは胸に迫ります。ご恩をうけたたくさんの人達は、徐々に去り行き、それでもまだまだこれからもたくさんの人に、ご恩を受けることになるでしょう。
「ふりむけば ご恩をうけた 人ばかり」

皆がこんな気持ちを心の奥において日々暮らしていれば、家庭の中にいざこざは生まれないのではないのでしょうか。それが土台となって、社会へ、そして世界へ広がっていけばいいのになあと思ってしまいます。

2015年6月22日月曜日

ご近所のこと(13) 大江能楽堂

 買い物の往き帰りに押小路にある能楽堂の前を通り、時々演目の案内がされている掲示板を見たりしていました。一度は見に行きたいと思いながらもまだ行っていません。

玄関はこじんまり、後ろは御池中学校

今日偶然ですが、帰り道に門が開かれていてお客を待たれている様子の紋付き袴を着た男性と女性がおられたので、少し声をかけてみました。「ちょっと見せてもらえませんか」と。「奥さんに聞いてきます」とのことで、中から年配の女性が出てこられました。「近所に住んでいる者ですが、ちょっと中を見せてもらえますか」と頼むと、快く「どうぞ、どうぞ」と入れて下さいました。

中へ入るとびっくり大空間

 中へ入って驚きました。外からは想像できないほどの立派な大きな空間です。四百人も入れるとのことです。観世流大江家の能楽堂は、1908年(明治41年)に創建され、1919年(大正8年)に現在の規模に改築し、2001年(平成13年)に明治の面影をそのまま残す形で基礎部分を大改修しました。定期能が年四回開催されています。畳の桟敷席で鑑賞します。
年4回の大江定期能

 この日は埼玉県から修学旅行で来た中学生達が鑑賞会に来ました。その前の少しの時間に入れてもらえました。帰りには中学生の靴でいっぱいになっていました。京都では長い歴史の中に、伝統が脈々と受け継がれています。またまた「知るを楽しむ」の情報を得ることができました。早速機会を得て、鑑賞会に参加したいと思います。

修学旅行生に能のレクチュア

2015年6月18日木曜日

追憶の日々

 先日ポアロ(夫)の元に、大学時代の自動車部の仲間からメールが届きました。学園ストがあった時代で、ポアロは卒業までは在部していません。少し早目に退部していますが、クラブの同窓会への誘いを受けました。三年前に一度参加しています。今回の連絡は、今年の秋に一泊二日でゴルフをしようというものです。「よろこんで」と返信しました。自動車部が遠征した時の、懐かしい写真がたくさん添付されていました。自分達の子供の年齢を下回り、孫に近いほどの年齢の若者達の写真です。二人で写真に見入ってしまいました。
 
左は懐かしい「たて目のセドリック」右は「クラウン」

 仲間の名前や性格や出身地、そして社会へ飛び立った時の話など、ポアロが説明してくれます。四十五年も遡る話です。その頃に私も一度会った人も二人います。社会へ飛び立ち、退職する日まで、皆それぞれに働き続け、子供を育てて頑張ってきました。感無量です。秋の一泊二日のゴルフ大会、今から楽しみです。四十五年もの歳月を経て再会する仲間です。あの人がどんなおじさんに、いえおじいさんに、どんな風貌になっているのでしょうか。ワクワクします。仲間達の写真をたくさん撮ってきてほしいと、ポアロに頼んでいます。

大学を出発

能登へ向けての遠征(大きなトラックがオーバーヒート)

当時はまだ車は少なかったそうです
 私は女性。男性のことはよくわかりません。女性と男性では、話題も違うようです。リタイアした男性達に、興味関心好奇心いっぱいの私です。日々の暮らし、趣味、生き甲斐、これから先の人生について考えていること、計画していることなど、みんなにインタビューしたいほどです。社会へ出てからのそれぞれの人生には、運、不運もあったことでしょう。自分の望むとおりに大成した人、そうでない人、本当に人生いろいろ、生き様いろいろだと思います。人生には喜びも悲しみもあります。そしてそこには悲哀が滲んでいます。1952年(昭和27年)公開の映画「生きる」を思い出します。監督黒澤明、主演志村喬で、男の人の人生を描いています。モノクロです。黒澤作品の中でも、そのヒューマニズムが頂点に達したと評価される名作とのことです。

 ポアロの青春時代とともに、私の青春時代も蘇ってきました。ピアノひとすじに打ち込み没頭し、ピアノが恋人と言っていた私の青春時代。「燃えろ青春」でした。人生を共に歩く人は理系の人。車が好きで運転が上手な人。学生時代に自動車部に入っている人。頭に理想像を描いていました。このことは兄を通して異性を見ていたのかもしれません。ブラザーコンプレックスだったのかもしれません。私の好きな車、学生時代の自動車部、それがそのままポアロの古い仲間に結びつきます。二人で追憶の日々を過ごしています。

2015年6月17日水曜日

ご近所のこと(12) 老舗

 京都には老舗がたくさんあります。老舗の経営哲学は、守るべきものは守りつつ、時代の変化に応じて新しいスタイルを創造し、提案するというもので「知恵の経営」として家訓や社訓で代々伝えられています。事業を継続し次世代に承継するために大切に守られ実践されているようです。 







 家の近くの寺町通りに鳩居堂があります。和紙、はがき、折り紙、便箋、香、筆、墨、書画用紙、茶道具、珍しいものとしては貝合わせなどを扱う専門店で、1663年の創業です。超一流の老舗です。ネットで鳩居堂の歴史やこだわりを知ることができます。店の前を通る時には、鳩居堂から流れ出ている心和む香のかおりに触れることができます。国内、国外を問わず、たくさんの観光客で賑わっています。
 以前私は進物用として、線香を何度か買ったことがあります。父は生前、香、文具、和紙などに趣味があったので、京都へ来た時には必ず鳩居堂で買い求めていました。

書道用具

和紙・千代紙・便箋

貝合わせ

千代紙の箱

張り子

絵葉書

色紙

香木

私達家族も父によく似た趣味を持っているので、月に一度は店内へ入ります。歴史ある老舗の伝統的な雰囲気の中に身を置くのも気が引き締まるようです。キョロキョロ見るだけでも楽しいものです。今回は季節絵柄のポストカードとプレゼント用のちりめんの小物を買いました。

 老舗として世の中に立ち続ける姿には、毅然としたものがあります。驚くのは日曜が定休日で、平日も六時には閉まります。老舗の中の老舗といった風格を感じます。店員さんといっても美術館の学芸員のような雰囲気を持っておられます。店も、そこで働く人も、老舗の誇りと自覚を持ち続けておられるようです。

2015年6月15日月曜日

お気に入りの場所

 京都市左京区にある南禅寺の近くに、私のお気に入りの場所があります。先日NHK-BSの番組「京都南禅寺界隈別荘群」でも放送されました。
 明治新政府が召し上げた臨済宗南禅寺の敷地を開発した後に建つ、広大な別荘群です。


  碧雲荘(へきうんそう)
  何有荘(かいうそう)
  龍山荘(たいりゅうさんそう)
  流響院(りゅうきょういん)
  清流亭
  有芳園
  真々庵
  無鄰菴(むりんあん)(旧山縣有朋別邸)
  清風荘(旧西園寺公望邸)
  智水庵
  怡園(いえん)(旧細川家別邸)
  旧上田秋成邸
  洛翠
  旧寺村助右衛門邸

その中でも私の一番のお気に入りは、白川通りから東方向へ入った道を進んだ、四方をお屋敷に囲まれた素敵な場所です。観光客にもあまり知られていません。いつもひっそり静まりかえっています。疏水からそれぞれのお屋敷に引き込まれた水が、道の際を流れ、その音が静寂さの中に際立ちます。広いお屋敷に人の気配はありません。手入れの行き届いた庭には、春は桜、枝垂れ桜がとても美しく、秋は紅葉、そして今の季節には、紫、薄紫、白など、色とりどりの菖蒲が、色鮮やかに凛とした姿を見せています。






先日夕方そこへ行ってみました。薄暗くなったお屋敷通りの生け垣の足元で、小さなカエルが大きな声を出して恋人を呼んでいました。2、30メートルほど離れた場所で、その呼び声に応えるかのように、小さなカエルが大きな声で鳴いていました。



 その場所に立つと、まるで異次元の世界のようです。政界、財界の大成者たちの権力と富が、感じられます。ほんのひとときですが、庶民の身から少し離れたような錯覚を覚えます。私達は、四季折々その場所を訪れ、非日常の気分を味わっています。

2015年6月13日土曜日

日仏交流

 京都市は古都というつながりでパリ、ケルン、キエフ、ボストン、西安などと姉妹都市の提携をしています。一方京都府は友好提携州省ということでアメリカのオクラホマ州、中国陜西省、イギリスのエディンバラなどと提携しています。先日の京都新聞のニュースで京都府は南仏のラングドック州(人口267万人)と提携のため山田知事が州都モンペリエを訪問し提携の調印をしたとのことです。観光資源の相互PR、教育分野では府立医科大とモンペリエ大学、京都大と仏国立農業研究所、ワインと日本酒、茶の輸出入などで交流を深めるようです。


高校でのレセプション
 娘が13年住んでいるモンペリエと私たちが住んでいる京都が友好提携するというのは本当に偶然で広い世界の中で数少ない確率だと思います。数年前に知事がモンペリエを訪問し娘もパーティーに出席したり、昨年は文化交流で京大の人たちや京都伝統工芸の職人さんたちが現地でデモンストレーションをする場面で通訳をしたりという状況を聞いて提携調印が近いと思っていました。
 南仏モンペリエは私たちも3度訪れましたが年間300日は晴れるといういかにも地中海的な気候です、旧市街地はローマ時代の遺跡も残る石積みの家がたくさん残っています。郊外はほとんどブドウ畑とワイナリー、海岸は塩田が広がり対岸はアフリカとなります。梅雨時の日本にいると南仏の青空が目に浮かびます。以下は5年前の写真ですが見てください。

マリア伝説のある海岸の古い教会

ブドウ園と遠くに海岸のリゾート

海岸の潟にはフラミンゴ


ローマ時代の遺跡 

国鉄のモンペリエ駅

国立オペラ座とコメディ広場








2015年6月12日金曜日

驚きのハイテク

 以前バカンスでフランスから帰国した娘が「乗っている飛行機のフライトレーダーをネットで見れるからね」と言ったので、私達は往復の飛行状況を見るようになりました。
 先日伊丹スカイパークへ行った時に、たくさんの飛行機が離発着する光景に感動した私達は、以前にも増して空飛ぶ飛行機に関心を持つようになりました。最近ポアロ(夫)が、身近に飛び交う飛行機について、詳しくいろんなことがわかるフライトレーダーをネットで発見しました。瞬時の状況が刻々と表示されます。今、頭の上を飛んでいる飛行機は、○○社の○○便で、○○発○○行きで、その時刻、時間も詳しくわかります。ネット上には、うじゃうじゃといっていいほどたくさんの飛行機が飛んでいます。こんなにもたくさんの飛行機が飛んでいるとは驚きです。国際線、国内線、路線はいろいろ、まちまちです。高度もスピードも航跡も表示されています。飛行機の機種についての説明や写真も載っています。私達はまた夢中になるものを見つけました。ネット上ですが、空飛ぶ飛行機への夢がふくらみます。

6月12日午前の関西・東海のフライト状況です

数日前のアメリカの空


 他に船舶についても、鉄道についても、同様のことがネットでわかります。世界中を航海する船について、ネットは瞬時にライブを伝えています。

6月12日の瀬戸内海 青色は客船、緑は貨物船、赤はタンカー(2,3分ごとに動きます)

タイタニックでおなじみのサウザンプトン前のドーバー海峡は船がいっぱい

東京の「鉄道NOW」のライブ画面(移動中の電車がライブで見れます)

 友人の御主人が以前日本郵船のキャプテンをされていたのですが、自宅には大きな世界地図が張ってあり、そこには航路が記されていました。貨物船なのでホルムズ海峡やスエズ運河を通ります。当時その話を聞いた私は、世界を駆ける仕事に感動し、ロマンを抱きました。ずい分前のことですから、今のようなネット社会ではありません。科学の進歩に驚きです。 

 飛行機、鉄道、船、車、乗り物大好きな私達は、目を輝かせ、ネットで「知るを楽しむ」を楽しんでいます。