2017年9月6日水曜日

フランスへ(三人旅)

 娘から結婚式とパーティーをするので来てほしいという連絡を受けて、私達は渡仏しました。娘の提案で式を間近に控え忙しいのを承知で、三人で親子水入らずの旅に一泊二日で出かけました。といっても正味は一日半ほどです。彼のお父さんが住んでおられる北プロヴァンスから、南プロヴァンスへ足を延ばしました。目指すはセザンヌの暮らしたエクサンプロヴァンスです。セザンヌは、世界中の人に愛されています。日本にも多くのファンがいるとのことで、彼が晩年暮らしたアトリエには日本語の案内書がありました。ここを訪れる日本人は年間を通して多いとのことです。


 彼が晩年暮らした家では、当時の様子がそのままに再現されていました。美術学校の女子学生さんが、観光客相手に詳しく熱心に時間をかけて説明してくれました。フランス語のわからない私達ですが、大きな窓や高い高い梯子が、セザンヌが創作活動をしている様子を思い起こさせてくれました。








家の中や庭を見学してから、ショップで記念のものをいろいろ買いました。旅に出るとそこでしか手に入らないという思いで、ついつい買ってしまう癖があります。旅の思い出だからと、妙に自分を納得させてしまいます。ショップの人は「ありがとう。さよなら」と、慣れた日本語で言ってくれました。ついつい嬉しくなってしまいます。 
 そのあと多くの観光客で賑わい、お店が続く通りエクサンプロヴァンスの中心地へ向かいました。昼食を食べて、教会へ入ったり、いろんなお店をのぞいたりして、二時間ほど過ごしました。


この日泊まるホテルは、セザンヌが愛したサントヴィクトワール山の麓です。エクサンプロヴァンスから見えているサントヴィクトワール山ですが、麓までは時間がかかりました。ホテルに九時頃着いて、食事する最後の客となりました。サントヴィクトワール山がすぐそこに迫っています。セザンヌは、いくつもこの山を描いていますが、難しい表情の岩山だという印象を持ちました。ホテルの若いスタッフ達は、「日本へ行ったことがあります。日本は美しい。日本大好きです。また行こうと思います」と、嬉しいことを言ってくれました。



 親子三人の記念すべき旅は、何十年前の私と両親との旅を思い出させました。私の想いと、父、母の想いは、どんなだったでしょう。四人兄弟の末っ子を手放す、あるいは送り出す両親の気持ちを、今さらながらしみじみと想い、想いを馳せてしまいました。

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