2017年9月25日月曜日

 フランスへ(およばれー1)

 今年の夏はフランスに一ヶ月滞在し、娘の結婚式、パーティーを済ませて、フランス周遊の旅に出て、あっという間に日が過ぎていきました。旅から戻ると、フランス出国まで一週間となっています。その残り少ない日にちの中で「ぜひ来て下さい」との招待を受け出かけました。姻戚となった彼のお姉さんご夫婦からのお招きです。車で十分ほどのところに住んでおられます。結婚式とパーティーで挨拶を交わし、娘の通訳で少しお話ししたお姉さんご夫婦です。お家に招待されて少し緊張気味の私ですが、玄関での「ボンジュール」からすぐに打ち解けました。この日は月曜日でしたが、私達のためにお休みを取っておられました。街なかのコートハウスのお家は、奥に庭があり、小型のジャグジー(プール)が設置されています。そして日よけのテントが張られています。そこでのおもてなしです。




私達が到着したのは六時前で、まずアペロから始まりました。アペロは食事の前に軽くアルコールをいただくというものです。日本で食前酒というものがありますが、それによく似ています。私達はフランスへ着いてから、ずっとこのアペロでおもてなしを受けてきました。日本で酒の肴というものがありますが、アペロの時にも、軽いおつまみが出されます。チーズとかオリーブの塩漬けがおなじみのようです。しかし食事の前に少しでもアペロをいただくと、食事に差しさわりがでます。私は抑えて抑えてほんの少しいただきました。フランスの方々は、アペロの時からワインをたくさん飲まれます。ワインがアルコールではないような感じです。ワインを飲んだあとでも、車の運転は何のそのという人が多いように思われます。お姉さんのご主人は、お料理が趣味の方です。若い時から料理人になりたいと思っておられたそうですが、その道はあまりにも困難が多いとご両親に反対され、公務員になられました。お姉さんも公務員をされています。料理が趣味と言われるだけあって、作られるお料理は素人離れしています。アイディア、ひらめきはすごいものです。レシピはありません。テレビの料理番組を見てのひらめきで彼の創作料理です。かれの感覚が秀でています。センス抜群です。台所は彼の城です。誰も入れません。お食事が始まり、きれいに盛り付けられたお料理が一品ずつ運ばれてきます。目を見張るばかりのお料理です。フランス料理です。上品な器にきれいな色合いのお料理が盛り付けられています。私達は「トレボン」を連発します。これ以上のフランス語の褒め言葉を知りません。アミューズ(つきだし)が四品続きました。





次にオードブル(前菜)の牡蠣料理が続きます。生牡蠣と焼き牡蠣のクリームがけとパンがお皿にのっています。彼は朝から牡蠣の有名な産地であるセートまでオートバイで買いに行ったそうです。彼のこだわりが感じられます。とにかく新鮮なものを選ぶという姿勢です。



続いてホアグラと焼いたイチジクがパンとともに出されました。パンもそれぞれ違う種類のものです。
  


メインディッシュはビーフシチューと野菜のオーブン焼きです。牛肉は旧市街にある老舗のもので、前日から煮込んだそうです。たくさんのご馳走をいただいておなかはいっぱいです。





デザートにはメロンと、メレンゲのかかったガトーとコーヒーです。お食事しながらいろんなお話しができました。もちろんフランス語ができない私達は、娘の通訳を介してです。数年前赴任地北大西洋にあるサン・ピエール・ミクロン島から帰られたご一家です。仕事のお話しも聞けました。この日十三歳と八歳の二人の息子さんは、バカンスでおじいさんおばあさんの家へ行っていて留守でした。結婚式、パーティーの時には会っています。いろんなお話しをする中で、御主人のお料理の腕前に驚いていた私は「素晴らしいご主人ですね」と言いました。彼女は「料理の好きな、料理の上手な人を選びました。私は一切料理をしません。できません」と、おっしゃるので「その選択は素晴らしいです」と私が言い、皆が大爆笑をしました。フランスでは、女性も男性と同じように仕事を持って頑張っています。男性が外、女性が中、といった役割分担が決まっているような日本とはずい分違います。今では女性の社会進出も進んできている日本ですが、男女対等ではありません。どうしても女性が負う負担は大きいと思います。産休、育休、イクメン、介護など、男女が対等で力を合わせて乗り切るには、男性の変化が必要です。フランスでは、保育園の送り迎えも父親が頑張っています。育児、家事(料理、洗濯、掃除、買い物など)フランス人男性は、よく動きます。フランス在住年数の長い日本人女性は、「フランス人女性は怖いからね」と、笑っていましたが。

 この日は二つとないフランス料理三昧のおもてなしを受けて、五時間ほど過ごしました。日本でフランス料理店を開けるほどの腕前に、感激感動した私達です。「そんな夢を持ってぜひ実現してください」と言うと「仕事となると大変です。いまは楽しんで料理しています。毎日はできません」とのことでした。ごもっともです。素晴らしいシェフの数々の料理をご覧ください。ごちそうさまでした。 C'etait tres delicieux!



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