シュノンソー城を見学してから、お城の前でピクニックランチを済ませて、三時頃出発しました。ロワール川に沿って走ります。今日の目的地は海賊の街サンマロです。途中トゥールを通ります。
ここには娘の大学時代の仲良しが留学していたので、娘は何度か来ています。彼女は声楽専攻でした。留学を終え日本へ帰って結婚して、今では二人の子供のお母さんです。時が過ぎるのは、本当に早いものです。高速道路を出たり入ったり、SAで休憩したりしながら走ります。
六時頃に、アンジェを通りました。私達には馴染みの名前です。京都の河原町通り三条にあるお店の名前です。文具や雑貨を扱っています。以前スタッフから、アンジェとは、フランスの街の名前だと聞いていたので記憶していました。そして七時頃には、ブルターニュ地方の中心都市であるレンヌを通りました。トゥールもアンジェもレンヌも、高速道路で通っただけなので、実際には街の中へ入っていません。旅行のガイドブックには、詳しく載っていますが、どれも歴史があり魅力ある街で、多くの観光客が訪れているそうです。
明るいうちに、サンマロへ八時頃着きました。ホテルへチェックインしてから街歩きに出かけました。レンヌで23℃あった気温が下がってきています。風もあり夜になって、寒くなり、パーカーを着ることにしました。海岸通りは、散歩する人達で賑わっています。
城壁の中のレストランは、観光客でいっぱいです。たくさんあるレストランの中で、落ち着いた雰囲気の、歴史を感じられる店を選びました。コースのメインディッシュは、シェフお勧めのマグロのステーキです。ポアロは前菜に魚介の盛り合わせ、私は魚のスープをいただきました。カオールで食べた家庭料理とは違い、洗練されたセンスを感じます。コースを選ぶと、迷わないで最後のデザートまで安心して進められます。少し贅沢ですが、せっかくのフランス周遊の旅です。美食を頂き大満足で、ホテルへ戻りました。
サンマロには二泊するので、気持ちはゆったりしています。翌日朝からホテルを出て、引き潮になると砂浜を歩いて渡ることができる城塞へ行きました。満ち潮になると、海岸まで海となります。引き潮の時と満ち潮の時の光景が楽しみです。Le Fort National は、ルイ14世の命により1689年築の城塞です。そこから見るサンマロの旧市街の眺めは圧巻です。英仏海峡に面しているサンマロの歴史は長いものです。16世紀には、政府公認の海賊船が活動し、海賊の町と呼ばれました。第二次世界大戦では、町の大半が破壊されましたが、今は見事に復元されています。旧市街は、ぐるりと城壁に囲まれています。全長約2kmあるそうです。城壁を歩くことができます。途中に、18世紀にカナダ大陸を見つけたジャック・カルティエの像がありました。
歴史博物館では、サンマロの歴史資料、大航海時代に使われた道具類、海賊船の資料などが、公開されています。狭い階段を上がり大主塔の屋上まで上がりました。そこからは、旧市街がよく見えました。気持ち良い風が通り抜けていきます。
そのあと観光客で賑わう旧市街のメインストリートを歩き、ランチにクレープを食べました。日本では、クレープというとおやつのお菓子と思いますが、フランスでは、中に入れるものがいろいろあります。おやつというより、立派な食事です。
この日は、バザールが開かれていて、地元の人も大勢出かけて来られた様子でした。このあとお気に入りのプチトランに乗って、街をひと回りしました。観光客であふれる商店街へも入っていきます。ランチを食べたクレープ屋さんの前も通りました。
城壁の中を回るのですが、引き潮でいろんな船が干上がった砂浜に座礁した様子でころがっているのを見た時は、とても珍しく面白いと思いました。
満ち潮になれば、船も生き返ります。少し先に高速定期船が停泊しており、乗船券売り場では、ジャージー島行きの日帰り観光案内がありました。私が通っている英会話教室の講師から、「ジャージー島へぜひ行って来てください」と、勧められていたのを思い出しました。希望はありましたが、ジャージー島はイギリスです。今回は、フランス周遊の旅としてたくさん盛り込んでしまいました。残念ですが、また機会があればということになりました。
プチトランは、大聖堂の前も通ります。夕方大聖堂の中へ入りました。翌日パイプオルガンの演奏会があるとのことで、練習をされているのに遭遇しました。大音響の大迫力で、パイプオルガンの音が全身に響きました。
商店街で、お土産やドライブのお菓子、飲み物を買って、再び満ち潮の様子を見に海岸へ行きました。海岸へ向けてどんどん満ちてきています。朝見学に行った城塞は、すでに海の中でした。レストランでカフェ休憩をして、夕日と満ち潮の様子を満潮まで見たいということになり、続けてディナーをと思ったところ、海が見える一等席は、七時から予約のお客さんでいっぱいでした。二階の席に移り、海が真っ暗になるまで食事をしながら、サンマロの最後の夜を楽しみました。
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