今回のフランス行きは、娘の結婚式とパーティーという私にとって、家族にとって人生の一大事でした。私達がフランスについた時は、国をあげてのバカンス真っ只中で、どこへ行ってもたくさんの人でした。七月にはラジオフランス主催による、音楽会が南仏のあちこちで催されます。有料、無料いろいろあります。着いてすぐ、音楽ピクニックと称するものに、初めて連れて行ってもらいました。JAZZのライブで無料です。郊外の公園で開かれる夜のコンサートですが、九時半頃まで明るいので、夜とは思えず時間感覚が錯覚してしまいます。音楽ピクニックは、音楽を聴きながら食べたり飲んだり、子供達は遊んだりと、皆が自由に過ごします。食べ物は、簡単なサンドイッチやフルーツを娘と彼が用意してくれました。ワインやジュースも持参です。この日は、現役の料理人である日本人女性と、お嬢さんと、日本から来ておられるお父さんと、御一緒しました。女性は、珍しいフランス料理や巻き寿司、そしていろんなデザートも持ってきてくださって、私は、感激しながらいただきました。音楽ピクニックは初めての体験ですが、音楽が人々の身近にあり格別のものではないということを実感しました。小さい頃から、音楽が溢れている環境で自由に育つ子供達の姿に、フランスらしさを感じました。家族や友達と、食べたり飲んだりおしゃべりしながら笑いながら、そしてその中を生演奏の音楽が流れている、粋な催しだと思いました。ラジオフランスに乾杯です。
街の中にも音楽が身近にあります。屋外のカフェがいたるところにあるのは御存じだと思いますが、少しでも広場があれば複数のカフェが店を出しています。そこには流しの歌手やバンドがやってきてチップを受けたり、カフェや町内で企画して演奏家を呼んだりしているようです。近くのマルシェが開かれる広場では夕方からフォークのデュオが演奏していました。皆さん軽い飲み物でくつろいでいます。
ラジオフランス主催の音楽会があちこちで開かれていますが、今回はオペラ座でのコンサートにも行きました。娘からのプレゼントで、前もってチケットを買ってくれていました。いい席は売り切れになるからです。あいにく娘は仕事なので、彼の案内でオペラ座へ入りました。映画やテレビで見たことはありますが、実際にオペラ座の中へ入るのは初めてです。天井画や彫刻、しつらえは目をみはります。18世紀につくられ長い歴史をくぐり抜け、修復を重ねて今に至っています。
私達の席は、四階のボックス席でした。ボックス席から眺めるオペラ座の内部は、映画やテレビで見た貴族社会のようです。現代建築の大ホールと違って、こじんまりした大きさでした。ボックス席のイスや床板は、年輪を感じところがありました。玄関ホールの上のフロアは、オペラなどの出演者が出てきて観客などひいきの人達とワインなどで乾杯したところだそうです。今は観客が、休憩の時間に写真を撮ったりおしゃべりしたりして、過ごすような場所です。見回しましたが、日本人は私達二人だけでした。
この日は、エルヴェ・ニケ氏の指揮で、「アン・オペラ・イマジネール」と題して、CGによる映像と三人のソロ歌手とニケ氏率いる古楽器アンサンブルの共演でした。三十周年となる記念のコンサートでした。ニケ氏は日本へも来て演奏活動をされています。ダイナミックな演奏で圧倒されました。観客に笑いを振りまくニケ氏の人柄に、親しみを感じました。
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