先日英会話教室で不思議な体験をしました。私が映画の巨匠小津安二郎監督の話題を出した時のことです。他の日本人生徒は三十代と思われる男性と女性だったのですが、二人とも小津安二郎監督のことを知らないと言うのです。私は驚きました。映画は観ていなくても黒沢明監督と並び、日本の代表と言われている小津安二郎監督です。若い人でも名前は知っていると、私は思い込んでいました。もちろん私の世代でも封切られた時に映画館で観たのではありません。名作ということでテレビで観て知っているのですが。次にまた驚きました。この日の講師は、アメリカから来ている四十代の男性だったのですが、小津安二郎監督とその作品について、しゃべり出したのです。日本映画、小津安二郎監督、「東京物語」「秋刀魚の味」「彼岸花」など、ずい分前から知っていて映画も観たとのことです。小津安二郎監督の作品に、日本を日本人を重ねていたと言います。現代に生きる人たちからは、日本人でさえ時代遅れのような印象を受けますが、日本の良き時代を思わせてくれます。日本の原点といった感じです。台詞も少なく、静かな中で進行していきます。講師は、原節子さんのことも知っていました。以前岡山で出会った英会話講師も、小津安二郎監督と作品についてよく知っていて、「素晴らしい作品だと思う」と興奮気味で話していたのを思い出しました。三十代の二人は、私の子供よりも若い人達です。世代のずれを感じました。
昨年、小津記念館を訪問した時のもの |
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