私の好きな歌の一つに「時の流れに」(五輪真弓)があります。一生懸命生きてきてふと立ち止まると、いつのまにか私もシニアの仲間入りです。今は人生百年です。かつて人生五十年といわれたのが、その倍になりました。仕事を終えてからでも、残り三十年以上あります。「光陰矢の如し」と言いますが、時の流れを味わいつつ、その一瞬一瞬をかみしめるような心境になるのは、最期のステージでしょうか。その時までは何歳になっても、バタバタと一日が過ぎて行くような気がします。
老人になると「昔はこうだった」が口癖になるとよく耳にしますが、最近私も半世紀ほど前、私にとっての昔が目につくようになりました。町を、郊外を走っていると、日本中どこでもと思いますが、今と昔の違いがよくわかります。昔たくさんあったものが今は無い、昔無かったものが今はある、その視点で見回すと結構あることに気付きます。昔たくさんあった銭湯が、今は激減しています。昔隆盛をきわめたそろばん教室も減っています。学習塾の中でのそろばん教室はありますが、昔は一つのビルを構えるほど立派な、そろばん学校と呼ぶようなものでした。交通の要となる駅はたくさんの人であふれ、駅前、駅周辺にはたくさんの店があり、いつも多くの人が集まる場所でした。映画館はいくつもあり、それぞれが特徴を持った劇場でした。今は郊外にできた大型ショッピングモールに映画館があります。車社会となりバスの利用客は減り、小さなコミュニティバスで充分となりました。郊外に大型スーパーができ、かつて賑わった商店街もさびれ、シャッター商店街になりつつあります。昔どこでもたくさんの子供が元気に遊び回る活気ある町だったのが、少子化となり子供の姿が減りました。今増えているのは高齢者の姿です。高齢者のための施設はどんどん増えています。有料老人ホーム、老健、特養、デイサービス・ショートステイの通所介護施設など、一つの町にいくつもできました。これからも増えると思います。町を24時間賑やかにしてくれるコンビニエンスストアは、どんどん増えています。何でも手に入ります。小さなものから大きなものまであるスポーツジムも増えました。シニアが目指す元気シニアです。健康志向です。市場の大切なお客さまです。接骨院も急に増えました。一つの町にいくつもあります。お客の取り合いが始まっています。生き残るための熾烈な戦いです。サービス競争で、客としては嬉しい限りです。町に隣接する田園地帯は、次々と住宅地に変わりました。これからは住宅が余ってきます。今も空き家が増えつつあり、行政を困らせています。昔に比べるとクリニック・診療所も増えました。少子高齢化、過疎化も進みます。都市に人が集まり、地方では世代のバランスが崩れます。これからも時の流れ(今・昔)のウオッチャーを続けたいと思います。
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