日本人である私としては、しっかり身についている「もったいない」という言葉ですが、いつの頃からか、多分、日本が豊かな国になって、消費の文化が広まった頃だと思いますが、飽食の時代になってからは「もったいない」という意識が、日本人から遠ざかっていったのではないでしょうか。
私の生まれ育った家は、農家でした。米、麦を始めとしていろんな野菜も作っていました。その労働の大変さを目にしていた私は、米一粒も、たくさんの人の汗と労働のたまものだということを、身にしみて感じていました。そのことは、米一粒だけにとどまらず、食べるものから着る物、人間が使ういろんな物にまで及んでいます。
「MOTTAINAI」という言葉は、2004年、環境分野として初のノーベル平和賞を受賞した、ワンガリ・マータイさんが、世界に広めた言葉です。2005年2月に来日され、日本語の「もったいない」が、マータイさんが取り組む資源の有効活用3R(Reduce,Reuse、Recycle)を、一言で表す言葉であり、さらに命の大切さや、かけがえのない地球資源に対するRespect(尊敬の念)という意味も込められていることを知り、子供たち、次世代へのメッセージを含んだ言葉として、深く感銘され、環境を守る国際語「MOTTAINAI」として、世界に広げることを決意されたそうです。その後「MOTTAINAI」精神を、世界に広めてこられました。
2011年9月マータイさんは、病気により死去されましたが、マータイさんが、教べんを取っていたケニアのナイロビ大学に「ワンガリ・マータイ平和と環境研究所」が設立され、MOTTAINAI学科も創立されました。
かつて日本人がしっかりと身につけていた「もったいない」が、マータイさんのおかげで「MOTTAINAI」という国際語となって世界に広がっていったことは、嬉しいことです。現代に生きる日本人が「MOTTAINAI」から「もったいない」へ、逆輸入された観もありますが、ぜひ身につけてほしいと想います。その根底には、感謝の気持ちが流れています。
参考 3R
Reduce(リデュース)使い終わったあとに出るゴミの量をなるべく少なくすること
Reuse(リュース)一度使ったものをゴミにしないで何度も使うようにすること
Recycle(リサイクル)使い終わったものをもう一度資源にもどして製品を作ること
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