2016年1月3日日曜日

お正月 むかし・いま

 私が子供だった頃、実家は農家だったのでお正月を迎える準備は秋から始まります。たくさんのしぶ柿の皮をむき、つるして干し柿を作ります。おせちの一品「なます」に入れるのです。また串に通して鏡餅の上に飾ります。収穫した大豆は、天日干ししてよく乾燥させ、豆を取り出してふるいにかけてきれいにします。お正月料理で黒豆は煮豆に、大豆は石臼でひいてきなこになります。父はしめ縄を作ります。十二月に入るとお餅つきがあります。鏡餅や切り餅を作ります。おせち料理は、祖母と母で作ってくれました。
 結婚してからは、毎年里帰りして、実家でお正月を迎えました。三十一日は、三人の姉とともに母の指揮のもと、おせち料理作りです。総勢二十五人分ほどの量を作りました。私がよく担当したのは、よせものです。さつまいもをふかして皮をむき、裏ごしして、寒天、砂糖と一緒に煮溶かし、抹茶で色をつけて型に入れて固めます。おせちのメニューはたくさんありました。賑やかにおしゃべりしながら楽しみながらの恒例のおせち作りも、母の突然の死とともに終わりとなりました。
 それから早20年以上もの時がながれ、我が家のおせち作りも回数を重ねました。昔のおせち作りを思い出しながら、我が家のおせちが出来上がりました。家族4人の好みに合わせたおせちが定番化し、今では毎年同じ物を作っています。そして、数年前から、ポアロ(夫)のおせち作りが始まりました。不器用な私が四苦八苦していると思い、見かねたのでしょうか? 料理することがおもしろそうに見えたのでしょうか? 台所に立つようになったのです。ぶりの照り焼き、いかの松笠焼きと筑前煮を作ってくれました。皆がおいしいと絶賛するので、これからは定着しそうです。私はお雑煮と盛り付けの係です。私にとってはうれしいことです。とても楽になりました。

 おせちもデパート、料亭やスーパーなどで、手軽に買うことができます。売り上げはどんどん伸びています。私もいつかそんな日をむかえることになると思いますが、後しばらくは、昔ながらの我が家のおせち作りを続けたいと思っています。昔の三が日は、お店が全部休みだったのですが、今は元旦だけ休んで2日が初売りです。このことも昔と今の違いです。

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