2018年6月21日木曜日

都会のツバメ


 先日京都四条河原町にあるデパートへ行った時のことです。デパートの前でツバメが飛び交うのに気づきました。こんなところでツバメが、と気になり観察すると、アーケードの天井部分に巣があり、数羽のヒナの顔が見えています。親ツバメが交代でエサを運んできます。そのたびにヒナ達はにぎやかに声をあげます。親ツバメは、たくさんの人を怖がりもせず、せっせとエサを運んできます。ツバメの飛び方は、静かにしかし勢いをもって、スーッと巣をめがけて飛んできます。瞬間的に、ヒナ達にエサを与え、すばやく巣を離れます。




都会のど真ん中、たくさんの人間が集まっている場所に、巣を作るツバメのかしこさに感心します。人間は、自分達に危害を加えないとわかっているようです。ヒナを狙う大きな鳥たちやへびは、一番危険だと知っているようです。都会のど真ん中で子育てするツバメですが、どこからエサを運んでくるのか不思議です。親ツバメは、巣を離れたと思うと、すぐにエサを持って戻ってきます。巣は、デパートの前のアーケードにあるバス停のところです。巣の下には、ヒナ達が落とすフンのために紙が敷かれ、コーンで囲まれています。「巣に注意!」と、張り紙もあります。ツバメの巣を見上げて、写真を撮っておられる外国人もいます。私たちは、そこでしばらくの間、ツバメの子育てを見続けました。




 ずいぶん前のことですが、念願の一戸建てを建てた時には、玄関のポーチにツバメが巣を作りました。ツバメが巣を作ることは、めでたいことで幸せを運んで来てくれると聞いていた私は、私達の新居を選んでくれたことを嬉しく思いました。二羽のツバメが交代で卵を抱き、ヒナがかえった時には家族で喜びました。親ツバメは、一生懸命子育てをします。父と母の協力は、素晴らしいものです。ヒナたちの成長を見守るのも、楽しいものでした。巣立ちの時が来ます。五羽のヒナが、巣から出て、少しずつ飛ぶ練習を始めます。父と母の指導のもと、少しずつ少しずつ飛ぶ距離を伸ばしていきます。五羽のヒナにも性格の違いがあります。親に続いて大胆に飛ぶヒナと、こわごわ皆の後についてちょっとずつしか飛べないヒナがいて、人間と同じだと思いました。見ていてとても面白かったです。巣から出て、始めは庭の上で飛ぶ練習をしていましたが、距離を伸ばして外の電線に勢ぞろいした時には、いよいよ巣立ちの日が来たのだと寂しくなりました。その姿を最後に、ツバメファミリーは大空へ飛んでいきました。その頃は郊外に住んでいたので、周りは自然あふれる環境でした。そういうところでのツバメの子育てと、今回の都会でのツバメの子育てを見ることができて嬉しく思いました。

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