先日ニュ-スで、すごい方がおられるということを知りました。現在九十九歳の男性は、大学へ通っています。週に二回、電車・バスを乗り継いで、片道二時間近くかけて大学へ通っておられます。国際政治史や国際法の講義を受講されています。
「勉強したい」という思いを持ちながらも、家庭の事情で尋常小学校を卒業後すぐに働きに出ました。夜間学校なら進学させてもらえるかと、独学で勉強し、商業学校の編入試験に合格しましたが、父親の許可は出ず進学できませんでした。太平洋戦争では、ビルマ戦線に衛生兵として送られ、砲弾を受け多くの仲間を亡くし、戦場は食べ物もなく餓死する仲間もたくさんいて、オタマジャクシもヘビもなんでも食べたそうです。帰国後は紳士服の縫製工場で働き、八十五歳でリタイアして、九十三歳の時に、子供の頃からの夢「勉強したい」を実現されました。「自らが体験したあの戦争がなぜ起こったのか、その背景を明らかにしたい」という思いで、今迄に日本史、世界史、国際法などを受講され「国際的な対立は、戦争ではなく、外交的努力で回避すべきだとの思いが募っている」と述べておられます。「大学通いを支えているのは、尽きることのない好奇心」だと話され、英会話講座にも挑戦され意欲満々です。十四年ほど前に妻に先立たれ、子や孫がいますが「一人のほうが気楽でええ」と、一人暮らしをされています。十二月で百歳になられますが「世の中にはいろんな知らないことがある、いくつになっても勉強を続けたい」と話されています。
私の親世代のこの男性には、本当に圧倒させられます。百歳を前にして、この素晴らしい好奇心と行動には目を見張ります。精神的、肉体的な条件は授かり物だと感じますが、後に続く後輩達に立派なお手本を示されていると、拍手喝采し脱帽します。
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