「塩飽しわく」とは、東と西から流れこんだ潮が、このあたりでぶつかりあい「潮湧くしおわく」と呼んだのが始まりだとされている。遠く昔、瀬戸内の交通の要にうかぶ、これらの島々を根拠地として塩飽水軍が生まれた。いま無限にひろがる未来の夢「瀬戸大橋」と古き心が眠る歴史・ロマンがぶつかりあい、新しい「塩飽」のドラマが始まる。
SHIWAKU ISLANDS
「しわく」の名は、古くから島の浜辺で生産された製塩の「塩焼く」、また狭い瀬戸の潮が大小の島かげにぶつかりあって、複雑に渦巻いて流れる「潮湧く」の転化とも言われますが、どちらを採ろうとも、それは真実の姿を今に伝える島と海なのです。
とも書かれていました。
塩飽諸島は、本島を中心に大小28の島々の総称です。塩飽諸島の中心である本島は、人口492人、周囲約16キロメートルの島です。1713年の記録によれば、当時本島には五千人が住み、24の寺と11の神社が建っていました。これは住民の信仰心の深さと、経済力の豊かさを物語っています。海に生きる男たちは、常に生と死が背中あわせで、その危険を仏菩薩に念じ、信仰心が厚かったのでしょう。国・県・市指定の重要文化財が35点もある本島は文化財の宝庫です。立派な仏像も多く残されています。
塩飽諸島本島散策の最後に、本島小学校、本島中学校の前を通りました。小学校は生徒20人ほど、中学校は生徒15人ほどで、どちらも僻地1級に指定されています。私達が本島を訪れた前日には、中国・四国地区僻地教育研究大会が開かれていました。本島小学校が取り組んでいる一つに「ふわふわ言葉とチクチク言葉」があるのを知りました。「ふわふわ言葉」は言われると嬉しくなったり、元気・やる気が出たり、安心したり、心があったかくなる言葉です。「チクチク言葉」は言われると悲しくなったり、イライラしたり、心が傷つく言葉です。「ふわふわ言葉」を言われると、自分のことを大切にしてもらえたと感じます。人に大切にされた経験の多い子どもは、自分だけでなく、他者も大切にできるようになるそうです。 (子育て通信に書かれていました)
僻地1級に指定された小さな学校の数少ない子どもたちが、学校の素晴らしい取り組みの力をもらい、今、日本が目指している人間教育の先頭に立ってくれると思います。
本島をレンタサイクルで散策している途中、銀波といえるような美しいススキの原に出会いました。風にそよぐ姿がとても美しかったです。帰りの船からは、瀬戸大橋の向こうに沈む夕陽が見えて、感動的でした。本島に来てたくさんの歴史と史跡・文化財と出会い、小さな島に凝縮されているかのような、はるか遠くの人達からのメッセージを受け取った気がしました。
おわり
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