先日街歩きをしている時に、たまたま通りかかった町中の小さなお寺の境内に、可憐に咲く白い秋明菊を見つけました。静かな雰囲気を醸し出す清楚な花です。いろんな色の秋明菊があるのでしょうが、私は以前から白い花の秋明菊しか見ていません。
ずいぶん前のことですが、仕事の都合で東京に住んでいた時のことです。父と母が東京へ久しぶりに遊びに来たので、家の近くを案内しました。東京都調布市にある深大寺へお参りしました。それからその近くにある神代植物公園を訪れました。季節は秋でした。いろんな種類の色とりどりの菊の花が、見頃の時期を迎えていたのですが、その中にひっそり咲く白い秋明菊を見つけました。当時、母は華道の教授として忙しい日々を送っていたのですが、秋明菊を見つけるなり、茶室に活けるのにぜひこの花を買って帰りたいとのことで、販売所で買い、大きな荷物になったのですが、大事に持って帰っていきました。そのあと父と母は、その秋明菊を庭に植えて、毎年花が咲くのを楽しみにしていました。あとで知ったのですが、秋明菊は茶室に活ける茶花として人気が高く、茶道をする人たちには好まれているそうです。侘び寂びの世界にふさわしい花といえるのだと思います。
白い秋明菊を見ると、その頃のことが懐かしく思い出されます。
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