私の八月の花は、ひまわりです。漢字では、向日葵と書きます。太陽に向かって大きな花を咲かせます。黄色の花は、夏によく似合います。全国各地からひまわり畑のニュースが報じられています。5万本のひまわりが一斉に咲いている風景は、夏の風物詩です。
今から三十年前のことです。今は亡き姉の家の庭に、とても背の高い向日葵が5本ありました。私の背よりもうんと高く、空に向かってそびえ立つような、りりしい姿でした。幹も5センチに近い太さで、まるで「ちょっとやそっとでは折れないぞ」と、言っているようでした。黄色の大輪の花を咲かせ、夏の厳しい暑さの中、太陽を自分の見方にして堂々と威厳をもって、庭を一人じめしているようでした。ひまわりの花を、身近でよく見ていた私ですが、こんな大きな立派な向日葵は見たことがありません。そこで「この向日葵は、特殊な向日葵なのかしら」と、姉に尋ねると「大手の種専門の会社から取り寄せたのよ」と、言っていました。名前は何か、原産国はどこか、などもっといろいろ聞いておけばよかったと悔やまれます。そのあと、姉は体調を崩し入退院をくり返すようになり、旅立ち、向日葵のことも遠い記憶になってしまいました。
夏が来て、ひまわりが咲くと、姉との思い出がよみがえってきます。
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