2016年3月10日木曜日

テレビの力-2

 先日テレビを観ていて思わぬ人に出会いました。四十数年ぶりの出会いです。ポアロ(夫)の大学の友人で、私の故郷伊勢の国の出身の方なので、若かりし日にお会いしています。
 学生時代最後の夏休みのある日、私達は彼の実家へ遊びに行きました。楽しいひと時を過ごして、帰る時のことです。彼は「これ持って帰って」と、大きなスイカを両手に抱えて、私達の車のそばまで持ってきてくれました。しかしその数秒後、大きなスイカは彼の手からすべり落ち、みごとに砕け散りました。彼の好意に対し、お礼を言って別れましたが、彼に申し訳なく、あまりにも気の毒な出来事だったので、今でも鮮明に覚えています。その後、彼は奈良にある老舗の牧場の娘さんと結婚し、会社勤めをしながら、牧場オーナー主の夫として頑張ってこられました。何十年か前の同窓会で、ポアロは会ったことがありますが、私はずっとご無沙汰しています。

 先日のテレビは、元フィギュアスケート選手の織田信成さんが、牧場を訪れて中継をしていたのです。奈良の牧場と聞いて、私達はひょっとしてと思い、テレビにくぎづけになりました。明治時代から続く牛舎は、その時代に建てられたものとのことで、歴史を感じる古いなかに、風格があります。その牧場の牛乳は、御料牛乳として、皇室の方が奈良へ来られた時には献上するそうです。御料牛乳と書かれた木札がテレビに映りました。そして最後の場面では、牧場オーナー主である奥さんと、その隣にご主人の姿がありました。私は、現在の彼を見ても、昔の彼とはつながりませんでした。ポアロは「彼、彼」と言っています。四十数年ぶりに彼に出会えたことは、驚きでありとても嬉しく、テレビの力に感激しています。

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