このほど住んでいるマンションの大規模修繕工事が無事終了しました。私の住んでいるマンションは、築16年になります。75世帯が住む11階建ての小さめのマンションです。15年経った時点で大規模修繕工事をすることが決まっており、3年前に修繕委員会がつくられました。建築専門家のポアロ(夫)が委員長となり、始めの頃は月に一度の割で、終盤は毎週のように話し合いがもたれました。都会の中の狭い間取りのマンションには、小さい子供のいる家族や夫婦だけになったシニア層、そして幅広い年齢層の女性単身者が多く住んでいます。
専門知識のない入居者の中で、建築専門家は唯一人です。住民のために、大規模修繕工事の説明からスタートしました。住まいは資産です。業者任せで進むのではなく、所有者の立場に立ち、あくまでもこちら側が主導権を持って、チェックもしていかねばなりません。業者と管理組合の間に立ち、さまざまな問題について協議を重ね、委員長としての責務は大変だったと思います。管理組合の六人の役員は、理事長だけが男性であとは女性です。その女性達は、仕事を持っている単身女性です。日本の今の社会の縮図のようです。離別、死別、非婚のお一人さまです。理事長は、六十歳の退職を機に、憧れの京都にご夫婦で移住された東京人です。京都暮らしを始めた時から、地域に溶け込むために、青少年育成委員、民生委員、老人会役員など、いろんな役を自発的に引き受けてこられた貴重な方です。理事長は二期目で、細かい点にもよく気がつき、配慮の行き届く人生の先輩です。その方とポアロは良きパートナーとなり、修繕工事を進めてきました。ボランティアですが責任は大きいものです。
工期は5ヶ月で、修繕費用は約8000万です。基本的工事は、外壁の塗り替えやタイルの張り替えです。今後を考えて、高齢者、障害者に配慮し、玄関外側の扉も自動扉にしました(玄関内側の扉は建築時から自動扉です)。また、今までは手で鍵を回して開錠していましたが、これからはICチップを当てる、あるいはかざすだけで開く非接触錠に替わりました。階段の扉は、ガラス入り戸に替えました。これにより階段は明るくなり、今まで扉を開ける際にぶつかることもありましたが、ぶつかり防止ができるようになりました。ベランダには、希望者にハト防止ネットが取り付けられました。玄関ホールには、ソファーとミニテーブルが設置され、緊急の来客に対しての応対や、お年寄りや小さい子供達に「どうぞのイス」として活用されると思います。
9月に足場が組まれ、ネットが張られ、工事が始まった時には、職人さん達の出入りが激しくなり、話し声もあり賑やかになりました。ベランダに出してあったもの、物干し台や植木鉢などすべてを室内に入れて、住まいは薄暗くうっとうしくなり、工事の音も騒音や振動など、耳障りの時もありました。工事が終り元通りの静けさに戻ってみると、静けさがいやに気になり、賑やかだった工事期間が懐かしく思われます。次回の大規模修繕工事は、予定では15年先です。今回の工事で中心となって貢献した、理事長とポアロの後継者の出現に期待をしている私です。
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4か月間足場がありました |
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廊下は昼でも真っ暗でした |
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危険な段差に手すりを付けました |
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市の補助もあり自動扉になりました |
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右のプレートにICチップを近づけるだけで扉が開きます |
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石庭を壊してソファを置きました |
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ぶつかり防止で耐火ガラスが入りました |
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