全国の学校では、そろそろ卒業式を迎える準備が始まっていることと思います。私はこの時期になると「仰げば尊し」を歌った若き日が、懐かしく思い出されます。歌い出したところですぐに、胸にジーンときて、目がうるうるしてきます。一番多感な時に歌ったからでしょうか。卒業式の思い出が、鮮やかによみがえります。卒業式には欠かせない歌として歌い継がれてきましたが、いつの頃からか姿を消したようです。卒業式にふさわしい新しい歌が、次から次へと生まれて、その時代々にマッチした歌が選ばれ、歌われているのでしょう。「仰げば尊し」は、数多い兄弟たちや、父や母とも、家族で歌える歌でした。明治17年の小学唱歌集が初出で、詞、曲とも、作者は不詳とのことです。歌詞は難しく、道徳的な言葉は、若い人達には通じないかもしれません。「わが師の恩、日ごろの恩、やよ忘るな、身を立て名をあげ、やよはげめよ」などは、若い人達から「ナニソレ、フーン」といった言葉が返ってきそうです。しかし、私は大好きな歌です。恩を忘れず、感謝の気持ちを忘れないで生きていくことこそ、人間にとって大切なことだと考えています。春を目前にして、ピアノで弾き歌いする曲が増えてきています。
「仰げば尊し」
仰げば尊し わが師の恩
教の庭にも 早幾年
思えばいと疾し この年月
今こそ別れめ いざさらば
互いにむつみし 日ごろの恩
別るる後にも やよ忘るな
身を立て名をあげ やよはげめよ
今こそ別れめ いざさらば
朝夕馴れにし 学びの窓
蛍のともし火 積む白雪
忘るる間ぞなき ゆく年月
今こそ別れめ いざさらば
0 件のコメント:
コメントを投稿