紫式部の邸宅跡として知られている蘆山寺へ節分の行事を見に行ってきました。今年は2月2日は「神社」で、2月3日は「お寺」で節分行事を見ることとなりました。蘆山寺は、京都御苑の東側にあり、寺町通に面しています。紫式部が源氏物語を執筆した地となっています。紫式部が詠んだ歌「めぐりあひて見しやそれともわかぬ間に 雲がくれにし夜半の月かな」の歌碑があります。
京都の節分行事は吉田神社の節分祭、蘆山寺の追儺式あと壬生寺の節分厄除け大法会の3つが有名です。蘆山寺の節分の行事は「追儺(ついな)式鬼法楽」と言います。通称「鬼おどり」と言い、暴れる赤鬼・青鬼・黒鬼に対して法力と弓矢で退散させ紅白の餅と豆を投げて、悪霊退散を祈願するのです。
私達が蘆山寺に着いた時にはちょうど始まるところで、たくさんの人が集まっていました。読経があり、法螺貝と太鼓にのって赤鬼・青鬼・黒鬼が登場します。設えられた舞台で三匹の鬼おどりが始まりました。体格の立派な鬼達で、鬼の顔も衣装もとても上手にできています。赤鬼が先頭で剣と松明を持ち、青鬼は鉞(まさかり)、黒鬼は小槌を持ってゆっくりした動きで面白い鬼おどりでした。舞台の上から本堂の中へも入っていき、ずい分と長い時間おどり続けました。法螺貝と太鼓の音だけが、鳴り響きます。
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鬼たちの登場です |
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松明を持って舞台に上がります |
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青鬼はまさかりを振りかざします |
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赤鬼は人々を睨み付けます |
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黒鬼は小槌を振って暴れます |
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ほら貝と太鼓で演出されます |
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鬼たちは本堂の中に踏み入ります |
次に鬼達を追い払う武将(追儺師)が登場し、舞台の上で口上を述べて矢を射ります。東西南北と中央(天)の五つの方角へ、矢を射りました。その矢は、つかんだ人がもらえるそうです。この矢によって、鬼達は退散します。物語として、演じられているように思いました。
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追儺師の登場 |
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口上を述べます |
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四方と天に向かって矢を射ます |
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鬼は武器を捨てて退散します |
これら一連の行事が終わり、次に豆まきが始まります。集まった人達は、少しでも前へと進みます。スーパーのレジ袋を広げている人もいます。かぶっていた帽子を、受け皿にする人もいます。豆をまく人は、十人ほどおられました。蘆山寺では、紅白の豆と餅をまきます。私は後の方にいたので、まかれた餅や豆は届きませんでしたが、ポアロ(夫)は、紅白の豆を二粒もらうことができました。
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紅白の豆をゲットしました |
赤鬼は貪欲を表し、青鬼は瞋恚(しんい)を表し、黒鬼は愚痴を表しているのだそうです。貪・瞋・痴は仏語の三毒と言い、根元的なぼんのうということです。仏教の言葉で難しいのですが、青鬼が表す瞋恚の意味は、怒ること、憤ることだそうです。人間の心の中にある煩悩(心や体を悩ます、すべての迷い・欲望)を、追っ払う蘆山寺の「追儺式鬼法楽」でした。
朝から雲が多く出ていたのですが、行事が行われていた間は、太陽も顔を出し、冷たい風も春の訪れを感じさせてくれる心地よいものでした。空を見上げると、ずい分高い所を飛行機が飛んで行きます。国際線の飛行機だと思いますが、青空を飛んで行く飛行機は、私を爽やかな気持ちにしてくれました。
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帽子に鬼の角 |
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外国の方も熱心に見ておられました |
京都ということでしょうか、外国の方もたくさんおられました。京都に住んでいるファミリーだと思いますが、鬼の角を帽子のてっぺんにつけたかぶりものをした子供がいて、とてもかわいかったです。
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