先日、松阪と和歌山を結ぶ和歌山街道のほぼ中間地点にあたる飯高町へ行ってきたのですが、小津安二郎資料室を見学したあと、25キロほど先にある波瀬宿まで足を延ばしました。国道166号線を西へ約一時間走りました。
波瀬宿は、国道から少し入った旧道にあります。大きな家が建ち並び、昔の街道の雰囲気です。山のふもとの静かな村で、人の気配が感じられないほどの、静かで淋しい印象を受けました。本陣であった大きな屋敷には、その面影があります。和歌山街道にはいくつもの宿がありますが、波瀬宿だけを見ても、今は訪れる人もなく、昔の栄華はまさに歴史に残っているだけのように思います。どれほど多くの人が、和歌山街道を行き来したのでしょうか。想像すると胸がワクワクします。和歌山のお殿様も、籠に揺られて松阪を目指したことでしょう。伊勢神宮へ参拝する多くの人の、賑やかな話し声が聞こえてきそうです。
波瀬宿には、波瀬神社があります。誰もいない本殿へお参りしました。伊勢神宮を遠くから拝む、遥拝所がありました。長い長い歴史を感じる波瀬神社でした。
波瀬宿を後にし、いよいよ今回のプチ旅は終わりです。波瀬宿を出て少し走ったところの高台に素敵な建物が見えたので近寄ってみました。波瀬小学校と書かれていますが現在は使われていません。立派な建物ですが子供が少なくなってしまい、休校となっているそうです。日本の少子高齢化と過疎化を目の当たりにしました。
次に飯高道の駅へ寄りました。三重県で最初に登録された道の駅です。天然温泉施設があり、お茶・野菜など特産品の販売所やレストランもあります。この日は土曜日だったので、多くの人で賑わっていました。埼玉や千葉、静岡ナンバーなど遠くからの車もあり、驚きました。
広大な茶畑が見えてきたので、写真を撮りました。とても美しい景色です。三重県はお茶の生産量国内第三位とのことで、一位は静岡県、二位は鹿児島県だそうです。美しい茶畑が連なるその近くに、茶倉という道の駅があったので寄りました。展望台からは、櫛田川の美しい流れや渓谷が見えて、のどかで風光明媚な所です。
昭和7年に建てられた元郵便局舎 |
日本中にたくさんの街道がありますが、実際に走った街道は少ないものです。高速道路が整備され、どこへ行くにも高速道路を利用します。司馬遼太郎著「街道をゆく」は、家族全員が大好きな本ですが、この本に登場する街道を少しずつでも走りたいと思っています。それぞれの街道に伝わる歴史や地理を、知る楽しみを楽しみたいと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿