十一月に奈良平城宮跡を訪れ、1300年前の昔に思いを馳せた私ですが、今住んでいる京都について考えると、これまた1200年前の平安京に惹かれ始めました。ということで先日平安京復元模型のある京都市平安京創生館(京都市中京区丸太町通七本松西入)へ出かけました。京都市中央図書館や生涯学習センターと同じ建物です。
延暦13年(794)に遷都された平安京は、東西4.5km、南北5.2kmの方形の都市でした。平安京復元模型は、1/1000の縮尺で、7.8m×6.6mのものです。平安京とその近辺は平安時代前期、平安京域中心部は平安時代中期、鴨東域は平安時代後期の状態を復元し、平安京400年間を一つの平面上にあらわしているとのことです。広大な平安京に圧倒されます。平城京を見たばかりなので、全体の造りはよく似ていることがわかります。
他に鳥羽離宮復元模型・・・白河天皇(1053~1129)が創建した譲位後の御所です。鳥羽上皇(1103~1156)の代にほぼ完成し、14世紀頃まで代々院御所として使用されました。縮尺1/1000 2m×5m
豊楽殿(ぶらくでん)復元模型・・・豊楽殿は豊楽院の中心的建物で、大嘗会など国家的饗宴のための施設です。規模は発掘調査によって東西46m南北23mであることが確定しました。縮尺1/20 3.4m×1.8m
豊楽殿 尾(しび)復元模型・・・豊楽殿の大棟両端に付けられていた 尾の復元模型です。実物大
法勝寺復元模型・・・院政期に現在の左京区岡崎の地に建立された六つの寺院(六勝寺)
のうち、白河天皇が承暦元年(1077)に造営した寺院。伽藍
の中心にそびえる八角九重塔は高さ約81mです。縮尺1/100
3.3m×5,6m
源氏物語車争図屏風複製、国宝北野天神縁起絵巻複製なども展示されています。平安京
に暮らす人々の生活や文化について、瓦や生活道具などの出土品や復元品をもとに解説
されています。
土層剥ぎ取りパネルがあり、平安時代より以前の遺物を含まない自然に
堆積した層までを一望できます。土層断面パネルを見ると、一番下に自然の堆積層があ
り、その上に平安時代の土層があり、その上に室町時代、桃山~江戸時代、江戸時代、
幕末の焼瓦(蛤御門の変)、明治時代と続き、明治5年(1872)小学校を造るとき
に整地した層として運動場の砂があります。京都1200年を物語る土の重なりです。
この土層断面パネルは常設展示されています。
京都市平安京創生館は、朝廷の諸節会・神事に用いられる酒・酢などを醸造していた
造酒司(みきのつかさ)という役所のあった場所にあります。1978年の発掘調査
で、醸造用の米などを保管する高床式倉庫と考えられる掘立柱建物跡の柱穴が発見され
ました。遺構は地中に保存され、柱穴の輪郭の形は建物の入り口前に示されています。
平安貴族の普段着(女性用・男性用)を自由に着て記念撮影ができるコーナーもあ
り、係の人から「どうぞ着てみて下さい」と声をかけられましたが、恥ずかしくて遠慮
しました。
映像コーナーもあり、平安京の歴史や文化をわかりやすく解説してくれました。映像
を観ているだけで、ずいぶん知るを楽しむことができました。
これからの楽しみとして、平安京を散策したいと思います。史跡巡りをして1200
年前の遠い昔に思いを馳せようと思います。写真とともに報告します。