十二月の花として、さざんかをあげたいと思います。今、私の住んでいるマンションの庭のさざんかは、満開です。つぼみもまだたくさんあって、長い間美しい花を見せてくれます。散歩していると、色の違うさざんかも、たくさん咲いているのを見ます。
二十数年前のことです。私達は、初めて手に入れた戸建住宅の庭の垣根に、さざんかを植えました。白、赤、ピンクの花が咲き、寒くなってきた十二月には、帰宅する家族をにぎやかに迎えてくれました。さざんかはとても丈夫で、毎年たくさんの花を咲かせ、私達を楽しませてくれたものです。
童謡・唱歌「たきび」の二番の歌詞に、さざんかが出てきます。子供の頃、家の近くのお寺で高齢の住職さんが、冬の間、毎朝たきびをしておられました。登校する前に、子供たちはそこへ集まり、しばらくたきびにあたって体を暖めました。寒い朝は、たきびにあたるのがとても嬉しくて、いつもより少し早く家を出て、たきびの周りで登校前のひとときを過ごしました。男の子は石をたきびの中へ投げ入れ、登校する時に熱くなった石をポケットに隠し入れ、得意気に満足気に「あったかい、あったかい」を連発していました。そして女の子達は「たきび」の歌を、一番二番三番と歌いながら登校しました。私は今でもさざんかの花を見ると、自然に「たきび」の歌を口ずさんでしまいます。
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