2012年12月11日火曜日

私の好きなこと(Ⅱ―1)


 私の好きなことの一つに編み物があります。少し寒くなってきて炬燵が恋しくなってくると、編み物がしたくなりうずうずしてきます。今年もそんな季節になりました。炬燵に入って音楽を聞きながら、編み物をするのは最高です。好きなことに没頭する、没頭できる幸せを感じます。仕事ではありません。趣味です。そんな状況に感謝します。ひと編みひと編みに自分の想いを込めて、一心不乱に編み物を続けます。無我の境地です。

 編み物をすることに対して、子供の頃からあこがれを持っていました。編み物をする女性の姿から、ほのぼのとした幸せのイメージを感じていました。子供の頃、母は子供達のために、冬が来る前から編み物をしました。小さくなったセーター・カーディガンは、ほどいて編みなおします。私はそのそばで、毛糸を丸める手伝いをよくしました。

 私は二十歳を過ぎてから、自分のために大判ショールを編みました。仕事の行き帰りの電車の中でせっせと編みました。同じ模様の繰り返しなので本はいりません。かぎ針でどんどん編み続け、真知子巻き(「君の名は」の主人公がよくした巻き方)ができるほどのものが完成しました。

 次に編み出したのは、恋人のセーターです。通信教育の手編み講座を申し込み、テキストを見ながら棒針でアフガン編みをしました。通信教育の教材が欲しかっただけなので、入門・初歩から段階を経ての講座は受けていません。自分勝手にいいかげんに編みました。ここが編み物のよいところです。サイズはLサイズを目指して編みました。テキストに書いてある毛糸材料分よりも、たくさんの毛糸を使いました。びっしり目がつまり、風を通さないような、暖かいジャケットにもなるくらいのものが編みあがりました。今も大切に手元にありますが、ズシリと重いものです。毛糸の重さだけでなく、ひと編みひと編みに愛情がこもりすぎて重いのかもしれません。これを着た彼は、きっと肩が凝ったことでしょう。                     

                    つづく

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