今年も、南の国からツバメたちがやってきました。この季節になると、我が家に巣を作り、子育てをしたツバメたちを思い出します。
大きなニュータウンへ引っ越して、新しい家で生活を始めた頃です。玄関ポーチの軒下に、二羽のツバメが来るようになりました。二羽のツバメは新婚さんです。一生懸命、巣作りが始まりました。ドロや枯れ草などを小さな口ばしでくっつけて、あっという間に完成させました。すると母ツバメは巣にこもり始めました。父ツバメも交代で卵を温め、仲睦まじく、力を合わせての子育てです。卵からヒナがかえり、五羽誕生しました。親ツバメは子供たちにエサを与えるため、忙しそうに交代でエサを取りに出かけます。ヒナはどんどん成長し、親ツバメがエサを運んでくるとにぎやかに鳴くので、家の中にいる私にもそのにぎやかさが聞こえるほどです。ヒナでもフンをする時は、おしりを巣の外に向けてします。小さな巣はすぐに狭くなり、ヒナたちが巣から出始めました。その様子を観察していたところ、親ツバメが子供たちの巣立ちを、手取り足取りのように指導するのです。巣から外へ出て、数メートルずつ飛ぶ練習をします。そして近くの電線へ一羽ずつ飛び上がり、五羽の子供たちが並びます。その次は、もう少し遠いところの電線へ飛ぶ練習です。五羽の子供たちにも、それぞれ性格があります。親の指導にすばやく行動を起こす子と、みんなが飛んだあとに、ゆっくりみんなのまねをして飛ぶ子とあって、見ている私は、思わずニヤニヤしてしまいました。そして飛ぶ練習を重ねて、どんどん遠くへ飛んでいきました。ヒナたちの巣立ちは嬉しいことですが、ツバメ一家の姿が見えなくなって、我が家のポーチは静かになり、そして淋しくなりました。私は、短い間にツバメたちから、夫婦のあり方、子育て、子供をひとり立ちさせる親の姿、など、いろいろ学んだ気がしたのです。
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