2018年5月7日月曜日

お出かけ(京都洛北志明院)

 ゴールデンウイークは子供から大人まで皆が楽しく過ごす週です。若い時からの習慣で、シニアになっても家でじっとしておれません。遠出をしなくても出かける先はたくさんあります。私の好きな鴨川の源流を訪ねました。目的地は、京都市北区雲ヶ畑にある志明院です。自宅から車で1時間ほどです。鴨川に沿って北上します。京都の街の中を流れる大きな川が、だんだん細くなっていきます。山の中に入ると道幅も狭くなり、車の対向も難しくなってきます。お寺へは、最寄りのバス停から分かれて細い道を上ります。志明院は、山の中にあります。






 

駐車場に車を停めてから、参拝料を払う時にお寺の方が概要を説明して下さいました。小さいお寺ながらも奥は深くて、山登りのように石段を上ります。息が切れます。上りきると清水の舞台のような台があり、洞窟の中からポトンポトンという水の滴る音が聞こえます。これが鴨川の源流です。大河とは言えない鴨川ですが、その源流を訪ねたことに感動します。志明院は、司馬遼太郎氏が新聞記者をしていた若い頃に取材で訪れておられます。住職との出会いとお話しが、回想として随筆に書かれています。今回御朱印を住職に書いてもらった折、司馬遼太郎氏のことを話すと「司馬遼太郎さんとの出会いは、宝物をもらったとものだと思ってます」と、言われました。父も私達家族も司馬遼太郎作品のファンで、たくさんの本を読んでいます。ゴールデンウイークなので訪れる人は多いと思っていましたが、参拝客はちらほらでした。



 志明院は石楠花の寺とも呼ばれ、境内にはたくさんの石楠花がありましたがお花の見頃は過ぎていました。修験僧が登場する石楠花まつりを翌日に控え、その準備がなされていました。
鴨川の源流ということで、雲ヶ畑に暮らす人々は「京都御所に流れていく水を決して汚してはいけない。天皇様の飲まれる水なのです」という思いで長い歴史の中を代々伝えてこられたそうです。NHKのテレビ番組「新日本紀行」で、雲ヶ畑に長く住み続けてこられた人が言っておられたことを思い出しました。時代が移り、鴨川源流の雲ヶ畑には、天然記念物のオオサンショウウオが生息しています。研究者の発表では、日本産のものが減少し中国産のものが増えているそうです。日本産のものを、育てて増やす研究が進んでいるとのことです。今回の志明院参拝は、知るを楽しむの一つになりました。夕闇迫る中を静寂の志明院から、雑踏の京の街へ戻りました

0 件のコメント:

コメントを投稿