2017年12月18日月曜日

徒然に想うこと(女性の自立)

 いつの時代も女性の自立は大きなテーマです。時代の変化は女性の生き方にも影響を与えます。自立とは、自分だけの力でやっていくことです。孤立を意味しているのではありません。人が生きて行く限り、たくさんの人と関わり助け合ってというのは自然の成り行きです。女性の自立の根本は、経済力を持ち経済的には人の支援を受けずに生きていけることです。日本ではかつて専業主婦が女性の生き方の主流でした。夫は外、妻は内という役割分担でした。女性が仕事を持って、家庭との両立に苦労し、それでも自分の信念を曲げず生き抜くという姿にはいつも感動します。
今でも鮮明に記憶している叔母の言葉があります。夫が病気により九十三歳で亡くなった時のことです。「女の人は男の人が亡くなったら終わりやね」と言う叔母の言葉に、私は複雑な気持ちになりました。夫婦の愛情の深さから出た言葉だとその時は思いました。しかし今振り返ってみると、この時の叔母の言葉には、女性の人生のすべてが含まれているように思います。大正生まれの夫婦です。妻はすべてにおいて夫に頼らざるをえない人生だったと思います。夫の後を追うように、一年後に叔母も旅立ちました。
時代が変わり、女性の社会進出も進み、子供が小さい時だけ、一時的に専業主婦になる人もいます。しかし今は自分の働きにより経済力を持ちたいという女性のほうが増えているように感じています。それは素晴らしいことだと思います。私も母も、家庭と仕事を持って頑張りました。長い間にはいろんなこともありました。そのおかげで今の自分があると感謝しています。

 ある女性の話です。専業主婦として生きた彼女は、二人の息子さんを日本のトップの大学へ合格させました。誰もが羨む秀才の息子さんたちです。そのあと彼女は自分の夢を実現するために、フランスへ渡ります。そして十二年かけて、パリソルボンヌ大学で博士号を取得します。今も年に数回は、フランスへ行っておられます。ご主人は今も現役で仕事をされています。夫も妻も自立されている理想のご夫婦です。ちょっと残念なのは、自分の働きで自分の夢を実現されたのではないようなのです。恵まれた星の下に生まれた彼女は、親からの遺産があったようなのです。そのことは羨んでもしかたありません。自分に経済力があってもなかなかできることではありません。夫を一人残して、自分の夢実現のために行動を起こす彼女はあっぱれです。文句も言わず、妻を見送る夫もあっぱれです。私には、遠い遠い話のようです。

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