三重の家に住み始めて早十八年が過ぎました。その庭に娘が小さなアトリエを建てて早八年が過ぎました。娘が小さな庭の隅っこにマーガレットの苗を植えたのは、五年前のことです。マ―ガレットは毎年春になると、きれいな花を咲かせます。白いマーガレットの花です。
突然四年前に不思議なことが起こりました。四年前の春に、娘のアトリエの玄関であるドアのそばに、白いマーガレットの花が咲き始めたのです。一本ではありません。群生といえるほどのマーガレットの花です。どうしてここに?と思うほど、素晴らしい場所に咲いたのです。マーガレットがこの場所を選んだのでしょうか。そして今年、そのマーガレットの花の群生から少し離れた、70~80㎝ほど離れたところに、一本のマーガレットの花が咲きました。まるで親元から独立をはたしたような風情です。
右は4年前から咲きだした株、左は今年顔を出した新人 |
春の風に優しく揺れるマーガレットの花です。雨が激しく降っても、倒れることはありません。雨が上がればしなやかに立ち上がります。見た目と違って、とても芯の強い花です。しばらくの間、マーガレットの花に見とれていた私は、不思議な光景を目にしました。一本のマーガレットの花が、首をこくんと頷いたような姿を見せたのです。私はドキッとしました。
風に揺れるマーガレット、雨にうたれるマーガレット、いろんな姿を見ていましたが、頷いたような姿は初めてです。白いマーガレットの花は、とても清楚な花です。優しい印象を与えてくれます。そして強い芯を備えています。あこがれの存在です。マーガレットのような女性になれたらいいなと、少しでも近づきたいと思います。
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