最近突然思い出した歌があります。海援隊の「思えば遠くへ来たもんだ」です。発表されたのは、1978年(昭和53年)です。映画になったりテレビドラマになったそうですが、その頃の私は仕事と子育てに忙しく、ヒットしていることは知っていましたが、歌詞は部分的にしか知らず、愛唱歌にはなっていませんでした。頭に浮かぶ歌詞は「思えば遠くへ来たもんだ」の部分です。二十代で故郷を離れ奈良へ、三十代で東京へ、四十代で名古屋近郊へ、五十代で京都、大阪、岡山へと移り住んだ私は、そのつど「思えば遠くへ来たもんだ」を口ずさみました。今までは距離的なことが頭に浮かんでいましたが、「故郷離れて五十年」と歌うと、故郷と人生が重なります。心に響く歌となっています。改めて歌詞を読むと、十代の頃に「遥かな旅路を夢見てた」は、私も同じです。二十代の頃に「恋は一度と信じてた」は、私も同じです。「思えば遠くへ来たもんだ 今では女房子供持ち」も同じです。「眠れぬ夜に酒を飲み 夜汽車の汽笛聞くたびに 僕の耳に遠く近く レールの響きが過ぎてゆく」は、JR山陽線の近くで暮らした岡山での十年が思い出されます。長い貨物列車には、踏切りがなかなか上がらず、列車の数を数えたりもしました。レールの響きもよくわかります。人生の道のりを凝縮し、上手にまとめられています。心の内も表現されています。誰もが自分の人生を重ね、懐古し、しみじみした気持ちで歌える歌だと思います。愛唱歌の一つとして、歌詞を全部覚えて歌いたいと思います。
「思えば遠くへ来たもんだ」
踏切りのそばに咲く コスモスの花ゆらして
貨物列車が走り過ぎる そして夕陽に消えてゆく
十四の頃の僕はいつも 冷たいレールに耳をあて
レールの響き聞きながら 遥かな旅路を夢見てた
思えば遠くへ来たもんだ 故郷離れて〇年目
思えば遠くへ来たもんだ この先どこまでゆくのやら
フランスに暮らして早十五年の娘の気持ちも「思えば遠くへ来たもんだ」ではないかと、察している今日この頃です。
旅に出る度に、何かある度に、この歌を口ずさんでいます。
返信削除コメントありがとう。時代を超えてたくさんの人に歌われる昭和の名曲ですね。
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