先日の朝十時頃のことです。ベランダで洗濯物を干していた私は、駐輪場から幼い子供の歌声が聞こえてくるのに気づきました。幼稚園、保育園へまだ行っていない子供のようです。始めはハミングでした。その後とぎれとぎれに歌詞が聞こえてきました。私の大好きな童謡「里の秋」です。小さな子供には少し難しいと思われる歌詞ですが、日本人の心に響く童謡です。胸にジンとくるものがあります。母の愛唱歌でもあり、母がよく歌ってくれました。物心ついてからは、姉達と一緒によく歌ったものです。ピアノが弾けるようになってからは、弾き歌いをしてこの歌に酔い自己陶酔していました。少し物悲しいメロディーかもしれません。娘達が小さい時には、いろんな童謡を歌い聞かせましたが、今の子育ての中では童謡はあまりないように感じています。「里の秋」を口ずさんだ幼い子供は、お母さんから、あるいはおばあさんから、あるいはひいおばあさんから教えてもらったのでしょうか。今どきには珍しいことです。幼い子供が口ずさむ「里の秋」を聞いて、私はなぜかほっとして気持ちがあたたかくなり嬉しくなりました。
「里の秋」 作詞 斎藤信夫
作曲 海沼實
しずかなしずかな 里の秋
おせどに木の実の 落ちる夜は
ああかあさんと ただ二人
栗の実にてます いろりばた
あかるいあかるい 星の夜
なきなきよがもの 渡る夜は
ああとうさんの あのえがお
栗の実たべては おもいだす
さよならさよなら 椰子の島
お舟にゆられて かえられる
ああとうさんよ ご無事でと
今夜もかあさんと 祈ります
「里の秋」は1948年(昭和23年)にレコードが発売され、小学校の音楽教科書に長年採用され、2007年(平成19年)日本の歌百選に選ばれたそうです。
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