2013年7月28日日曜日

思い出の中の歌(2)


 雨がしとしと降っている日、外へ遊びにいけない私は、窓の外を眺めながら「今日はうれしいなあ」とニコニコしています。雨が降る日は、母が家にいます。農家なので、雨が降る日は家の中の仕事をします。私は嬉しくてつい歌い出します。

 

「あめあめ ふれふれ かあさんが

 じゃのめで おむかえ うれしいな

 ピッチピッチ チャップチャップ ランランラン

 

 かけましょ かばんを かあさんの

 あとから ゆこゆこ かねがなる

 ピッチピッチ チャップチャップ ランランラン

 

 あらあら あのこは ずぶぬれだ

 やなぎの ねかたで ないている

 ピッチピッチ チャップチャップ ランランラン

 

 かあさん ぼくのを かしましょか

 きみきみ このかさ さしたまえ

 ピッチピッチ チャップチャップ ランランラン

 

 ぼくなら いいんだ かあさんの

 おおきな じゃのめに はいってく

 ピッチピッチ チャップチャップ ランランラン」

 

 雨の降る日は、私は母のあとにくっついています。家の中の仕事を忙しそうにする母の、おじゃま虫になっていました。母が繕い物をする時、私もそばで小さな人形の洋服を作りました。スカート、ズボン、ベスト、簡単な物ばかりです。母の真似をするのが嬉しくて、雨が降る日は上機嫌の私でした。母に甘えられる雨の日が、大好きでした。

 

 先日、テレビから懐かしい私の大好きな歌が聞こえてきました。驚いてテレビを見ると、車のCMで雨の中を車が走っています。そのBGMに流れていたのです。北原白秋作詞、中山晋平作曲「あめふり」です。1925年(大正14年)に発表されました。現代のテレビコマ-シャルに登場するとは、嬉しい驚きです。

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