知り合いのフランス人男性は、フランスで日本の忍術道場へ通っています。忍術とは、現代での一般的な意味では、忍者が扱う特殊な技術の事だそうです。漫画「忍者ハットリくん」は有名ですが、フランスでフランス人が集まって、忍者の数多い特殊な技術の修練をしていると聞いて、私は不思議な気がしました。伊賀流、甲賀流という名前は聞いたことがありますが、その技術を今に伝えている実在する流派もたくさんあるそうです。忍者になるための特殊な技術を磨くのでしょうか。彼は、時々日本にある宗家へ行くこともあるようです。
フランスでは、日本の武道がたいそう人気を呼んでいるそうです。以前テレビで見ましたが、フランスに正統な柔道を広め、柔道家を育てたフランス柔道育ての親と呼ばれる粟津正蔵氏は、1950年に渡仏しフランス在住60年を超え、指導者として活躍されてきました。現在九十歳で現役です。柔道は、フランスで人気のスポ-ツの第三位に上がっています。登録者数は50万人を超えており、剣道や空手も人気があるそうです。
日本発祥の代表的スポ-ツ「武道」は、現在、武術の稽古を通して精神を鍛えるものとして発展していますが、古来から日本男子は武道のいずれかを選び、心身の鍛錬をしていたのではないでしょうか。心身の鍛錬という言葉の響きにはどこか郷愁を感じます。現代の日本人が忘れかけているような素晴らしい言葉です。
先日、ニュ-スの中で報道していたのですが、ある地域のデイサ-ビスで、高齢男性の人気を得ているのが、武道を体操に取り入れたプログラムだそうです。剣道、柔道、空手の中から30項目のストレッチ、筋力トレ-ニングメニュ-を作り、道着、竹刀を使ってされていました。七十代~90歳位までの男性方でしたが、みなさん子供の時に慣れ親しんだ武道で、昔を懐かしみながら楽しそうに竹刀を振り上げておられました。女性に比べてデイサ-ビスに来る男性があまりにも少ないことが問題となり、介護支援員の男性が考え出したとのことでした。今ではこのいきいき道場という名前のデイサ-ビスに参加する人の八割が男性だそうです。このデイサ-ビスでは、みなさん座ったままで竹刀を振り上げておられました。高齢者なのでどうしても足腰は弱っておられますが、武道を取り入れたストレッチで、腕や太ももの筋力がついたり集中力も高まるとの説明でした。いろんな分野で武道が取り上げられているのを知って、頼もしく思いました。
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