2013年7月12日金曜日

遠き日のこと -つづき-


生まれたばかりの我が子は、私の歌う「こんにちは赤ちゃん」に聞き入っている風でした。胎内にいる時から親の声が聞こえているそうで、母親の歌声だとわかって聞き入っていたのかもしれません。

   

「こんにちは赤ちゃん あなたの笑顔

    こんにちは赤ちゃん あなたの泣き声

    その小さな手 つぶらな瞳

    はじめまして わたしがママよ

 

    こんにちは赤ちゃん あなたの生命(いのち)

    こんにちは赤ちゃん あなたの未来に

    このしあわせが パパの希望(のぞみ)よ

    はじめまして  わたしがママよ」

 

 母親になってからは、毎日子供達に童謡を歌ってあげたので、すぐ子供達も一緒に歌うようになりました。ニュ-ファミリーと呼ばれた私達家族は、私のピアノと夫のギタ-でしょっちゅう家族音楽会を開きました。夫は十年間単身赴任をしていたので、私達三人は、寝る時に歌詞の始まりが、あ・い・う・え・お・の順に歌い出すことをゲ-ムのように競い合って歌いました。

 そんな楽しいにぎやかな暮らしが続いていましたが、母の突然の死から、私は歌を忘れたカナリアになってしまいました。毎日の生活の中で鼻歌が出るような心境から遠のいてしまいました。母の旅立ちからもうすぐ二十年です。母から教えてもらった歌の数々、母の大好きだったあの歌この歌、そろそろ懐かしい歌を口ずさんでみようと思っています。

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