現役100歳の医師である、聖路加国際病院理事長日野原重明氏は、聴診器と心臓の模型を携え、「いのちの授業」を、4年ほど前から全国各地で行っておられます。書店には、たくさんの著書が並んでいます。「いのち」とは何か、「生きる」意味とは何か。「いのち」の重みを知り、「生きる」意味を知り、大切な「いのち」について「生きる」ということについて、考えるきっかけを提示されています。
「いのちの授業」では、子供たちに自分の心臓の音を聴かせ、心臓はどういうふうに動いているのかなど、子供たちが、真剣に関心を持って「いのち」について考えています。
「人は一人では生きることはできない。心は人間の体のどこにあるのか。時間や空気など、目では見えなくても、とても大切なものがたくさんある」と、話されています。
戦後の日本が豊かな国へと発展成長し、国民はその恩恵を受けていますが、教育については、今一度考える時期が来ているように思います。日野原重明氏は、述べておられます。
「これまでの教育は、出来上がったデータを記憶させる教育であった。困難な問題にぶつかった時に、問題解決が出来るような能力を与えられていない。本当に学ぶべきなのは、問題とどう取り組むか、どういう戦略を立てるべきかということである。学校を出てからも、自分で出来るような頭の仕組みを作る、そして、その仕組みに従って生活をし、行動することが必要なのである」と。
また「人間形成にとって、最も重要な基本は家庭である」とおっしゃっています。
「家庭は畑、学校は肥料。良い肥料をまいても畑の土が弱っていたら作物(子ども)も弱ってしまう」と。
基本である家庭が子どもたちをしっかりと支え、地域全体で子どもたちの成長を見守る環境を整えていかねばなりません。もちろんそこには、学校も行政も国も入っています。
日野原重明氏のメッセージ「自分は愛されている存在である」「他人をゆるす勇気を持つことが大切である」「自尊心と他者への尊敬心を高めていくことの大切さ」「自分の命を大切に思うのと同じくらい周りの人の命も大切に思ってほしい」などがあります。
自分の命が誕生するずっと前から、たくさんの命のリレーが続けられて、今、自分がここにいるということ。自分一人だけの命ではありません。自分の命も、人の命も、赤ちゃんも子どもも、少年少女も、若者も大人も、人生の先輩である人たちも、みんな共に、大切な命を紡いでいきましょう。
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