先日テレビで樹木葬のドキュメンタリー番組を見ました。いろんな事情で墓じまいをされる人が増え続けています。田舎に先祖の墓があっても、都会に出て働き続けてきた後継者は、墓参りも段々難しくなってきます。高齢者になれば、自分の体もままならずです。先を考えれば早い目に墓じまいをした方が良いと考える人が増えるのも無理はありません。田舎にある先祖の墓を墓じまいして、自分が暮らす都会に、コインロッカーのようなお墓を買う人も増えています。
樹木葬を取り上げた番組では、72時間定点カメラで樹木葬にお参りする人達にインタビューするのです。生涯独身で生きてこられた人、子どものいないご夫婦、樹木葬を選んだ理由が語られます。故人の希望だったとか、自分一人が生きた人生を無に返したいとか、理由はいろいろです。感動したのは、今生きている自分が、死を迎えたあとのことについて真剣に考えておられることです。生と死が同一線上にあることを、素直に捉えておられるのです。広い墓苑にはお花がいっぱいです。たくさんの人がお参りに来るので賑やかです。大きな桜の樹の下で自分は眠るという選択をした人達の表情は、明るく穏やかです。長きにわたるお寺との絆を断つという決断は、檀家として大変だったと思います。子孫が絶えて無縁仏になるとわかっていれば、決断は早いかもしれません。費用はかかりますが、五十年の永代供養はお寺でしてくれます。それはわかっていても、樹木葬を選ぶ人は増えているのです。
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