2018年3月9日金曜日

仙洞御所見学


 大宮御所を見学してから、庭を通り抜けて隣の仙洞御所へ進みました。広大な庭園が広がっています。仙洞御所は上皇、院などといわれる、皇位を退かれた天皇の御所です。後水尾上皇の御所として江戸時代初期寛永7年(1630)に完成しました。その後五代にわたり上皇の仙洞御所として使用されましたが、嘉永7年(1854)の大火で京都御所とともに焼失したのを最後に、ちょうどその時上皇がおられなかったこともあり造営されないままとなりました。現在御殿等の建物はなく、後に移築したり建てられた二つの茶室があるだけです。現在の築地塀は安政2年(1855)に、京都御所と共に建造されたものです。仙洞御所の面積は約7万5千㎡(450m×190m)です。


北池

北池から南池を望む
 広い庭は見どころいっぱいです。ガイドさんの案内で進みます。大きな池があり北池と南池に二分されています。広大な庭を歩き、十か所の説明ポイントではガイドさんの説明に耳を傾けました。神奈川県小田原から運ばれた楕円形のやや平たい粒のそろった石を、池の中まで緩やかに敷き詰めてある州浜は見事な景観です。11万1千個ほどの石が敷き詰められています。石一個につき米一升の約束で運ばせたとの伝承があり、「一升石」の別名があります。

南池の洲浜

小田原から来た石

庭園は小堀遠州の作庭です。庭内には紀貫之の邸宅跡を示す石碑が立っています。

紀貫之の石碑

藤棚に覆われた八つ橋が架けられています。


万葉歌人柿本人麻呂を祀った小社があります。春には桜、ツツジ、フジ、秋にはもみじが広い庭をにぎやかに彩るそうです。冬には雪が美しく庭を覆います。松は美しい緑を添えてくれます。仙洞御所の見学はほぼ一時間かかりました。脈々と流れてきた時と歴史の中で、悠久の時に身をおいた幸せを感じました。


 大宮御所、仙洞御所以外の、京都御所、京都迎賓館、桂離宮、修学院離宮も一般公開しています。事前申し込みや当日申し込みがあります。季節によって姿を変える歴史の地をまた訪ねてみようと思います。

明治時代に近衛家から献上された茶室「又新亭」

南の端にある「醒花亭」


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