先日ポアロがパソコンにあるビデオの点検をしていたところ、懐かしい映像が出てきて二人で見入ってしまいました。約三十年前のものです。
アルバムを開けばたくさんの懐かしい写真に出会えますが、ビデオは写真と違い生きた映像のように思います。子供達は幼く、私達は若い二人です。ビデオには、家族全員の成長が記録されています。人の頭の中には生きてきたすべての記憶がありますが、いつもいつもその記憶を今に引っ張り出してはいません。時々ふと思い出される断片的な記憶です。その記憶がビデオによって鮮やかによみがえります。すでに旅立った人達も、ビデオの中で生きいきとした姿を見せてくれます。父や母、叔父、義兄、みんなの若い姿です。ビデオを見ていると、忘れていた過去の暮らしの1ページ1ページが戻ってきます。話し声や歌声も聞こえてきます。兄が計画し皆に声をかけて実現した、大型マイクロバスを借りての一泊二日の温泉旅行のビデオには思わず笑ってしまいました。旅館の大広間で皆が食事をして、舞台ではカラオケをしています。みんなが順番に歌っています。浴衣姿です。私は「津軽海峡冬景色」を、娘とデュエットで歌っています。兄は愛娘とデュエットしています。父は民謡を、義母も義兄もマイクを持って歌っています。ビデオに登場しない、残念ながら小旅行に行けなかった人の、その理由も思い出されます。季節は晩秋です。三重から信州への旅です。紅葉も映っています。ドライブインでの休憩の様子も映っています。旅立った人に会いたくなったら、またこのビデオを見たいと思います。ビデオは何本もあります。子供の音楽会や学芸会、卒業式、学校での風景、二匹の愛犬が庭を元気に駆け回る映像など、懐かしいものばかりです。
東京にいた頃、家族四人で車での七泊八日の東北旅行をしたのですが、その映像も愉快なものでした。訪れた旅の先々での思い出が、懐かしくよみがえります。平泉中尊寺では、投句して寸評をもらったということもありました。思い出は遥か彼方です。その思い出をビデオが呼び戻してくれます。
ビデオカメラの前身、8ミリカメラが我が家に来たのは、結婚してからです。結婚式や新婚旅行、子供達の誕生、入学式や卒業式、家族旅行など、我が家族の歴史がそこにあります。戦後生まれの私のビデオ映像がもしあったなら、自分の知らない記憶の断片がどんなに面白く愉快なものであったかと残念でなりません。今ではデジカメやスマホでも動画が撮れるようです。シニアになった今、過ぎ去った思い出をビデオの映像で呼び戻したいと思います。
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