まんたんが大腿骨を骨折して緊急入院し、手術して三週間が過ぎました。術後しばらくは点滴があり、両手を拘束されてのつらい日でした。それが終わりやれやれと思っていたところ、また点滴が始まり両手にグローブのような手袋がはめられました。看護師さんに聞くと、「絶食になったので」とのことで詳しいことは言われません。この間もリハビリは続いています。リハビリの効果は出てくるものと思っていました。私達は見守るしかない日が続き、三週間が経ちました。骨折で入院し、手術を受け、そのあとはリハビリで少しでも元に近づけられると思っていた私達は、このままの状態は本人に良くないと思い、主治医に面談を申し込みました。
点滴されてグローブをはめられてでは、ベッドの上でも自由がききません。寝たきりになりそうです。主治医の説明では、胃腸炎がおこり内科医の指示で絶食、点滴となったそうです。「骨折は順調に快復しているので、あとは食事に関して体が受け入れられるようになれば退院も可能です。」とのことでした。退院は、あと一週間から十日ぐらい先になりそうです。整形外科の専門医なので高齢者の骨折を手術し、リハビリで少しでも快復させるという経験は豊富です。耳の遠い高齢者はたくさんいると思います。まんたんもそうです。しかしもう一つ認知症を抱えています。認知症は、理解ができません。指示動作(指示された通りに動くこと)ができません。人生経験の長い高齢者は、頑固さを持っています。一筋縄では簡単に動きません。理学療法士、作業療法士さんたちの苦労が目に見えるようです。
主治医の口ぶりから、まんたんは問題児だったようです。整形外科の専門医として、患者を早く元の生活に戻すのが最大の目的です。それに反して認知症の患者は、良心的な医師の思い通りになりません。医師にとっては、匙を投げたくなるような患者です。整形外科医としては、「骨折が治ったらどうぞ退院して下さい」なのかもしれません。まんたんは、退院したら元いたホームへ戻ります。電動ベッドと車イスを使い、介護スタッフの支援を受けての生活が始まります。他の病院や施設で、リハビリを受けるというのは難しいようです。本人の意欲、意思がないと、リハビリの効果は出ません。認知症を抱えた高齢者は、これからますます増えていくと思います。病気、事故など闘病せざるをえない場合には、さらにいろんな問題が起こってきます。整形外科の世界を、少しですがのぞいてショックを受けています。
0 件のコメント:
コメントを投稿