大王崎灯台を見て公園を散策し、写真をたくさん撮り、素晴らしい眺めとこの地の空気を胸いっぱいに吸い込んで、灯台から緩やかな下り坂が続く道を歩きました。この地の名産特産を売る店が続きます。三重県伊勢志摩といえば真珠です。そして海の幸、いろんな魚です。真珠や干物・乾物を売る土産物店が続きます。日本中にはたくさん灯台、漁村がありますが、ここは現在観光客がたくさん押し寄せるような観光地ではありません。ひなびた雰囲気を感じました。漁港近くまで数軒の土産物店が続いています。出来立ての柔らかいカワハギの干物を買いました。そこの駐車場の前は海です。入り江の一番奥です。そこにたくさんのトンビが集まっている異様な光景が目に入りました。
何十羽というトンビが、港に集結しています。そして私達の目の前へ飛び降りてきて、水際でキラリと光る小さなものをくわえて舞いあがります。たくさんのトンビが次から次へと降りてきては、つかみ飛び上がります。口にくわえるトンビ、足でつかむトンビですが、そのスピードは恐ろしいほどのものです。私は何が起こっているのか興味津々で水際へ近づきました。トンビは人間を怖がりもせずに、エサとりに夢中です。キラリと光る小さなものは、少し小さめのイワシでした。元気にはねているイワシを、トンビは素早くつかみます。
滅多に見ない光景にくぎ付けになっている私達の周りに、人が集まってきました。土産物店のおじさんおばさん、通りがかった人達、数少ない観光客です。漁村に生きる人達には珍しくもない光景かと思っていたところ、皆さん「こんなの初めて見るなあ」と言われます。一人のおじさんが、一匹を手でつかみおともをしてきた愛猫にやりました。猫は、生きているイワシ、飛び跳ねているイワシを怖がりなかなか口にくわえません。しばらく手でイワシをいじり遊んでいましたが、そのあと口にくわえてどこかへ行ってしまいました。土産物店のおばさんは、タモでイワシを採り始めました。みるみるうちにタモの半分ほどまで採れました。トンビ達は、満足したのかその場を少し離れました。
おじさん達の話では、このイワシはカタクチイワシで、大きな魚に追われて水際まで来たものの戻れなくなったのだろうとのことでした。数日前ニュースで、東北の浜辺に大量のイワシが打ち上げられているとの報道を見たばかりでした。日本を襲っている最強寒波で海流の水温も異常変動を起こしていて、その海流から逃げようとしたイワシが元へ戻れなくなったのではないかと報じていました。ひょっとしてここのカタクチイワシもそのことに関連しているのかもしれません。驚きの光景を見ることができました。
最近NHKの番組で、灯台が人気を集めているというのを見ました。シニアの人達は、四十数年ほど前の新婚旅行で灯台を訪れた人が多いそうです。そして今、時を経て再度その地を訪れるというのがブームを呼んでいる理由らしいです。私の場合は新婚旅行ではありませんが、若かりし頃にデートで大王崎灯台へ行きました。海、太平洋が大好きな私は、何かの折々に海を見たくなります。今回は愛車との別れを惜しみながらのドライブになりました。よく走ってくれた愛車に「ありがとう。さようなら。」を贈ります
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