2016年12月2日金曜日

紅葉便り―番外編(高島3)

 現在の高島市は、マキノ町、今津町、安曇川町、新旭町、高島町などいくつもの町が合併して大きな市となっています。京都府と福井県に隣接しています。今津から琵琶湖を見ながら走り、平成の水百選に選ばれている針江生水の郷へ向かいました。針江地区は、比良山系の伏流水が湧き出す水の豊富な地域です。






 多くの家庭には湧き水を利用した「かばた」(川端)と呼ばれるしくみがあり、昔から大切に利用されています。以前何度かテレビで観ましたが、村の中を流れる小さな川には鯉が泳ぎ、各家庭にも湧水が引き込まれており、透明のきれいな水は飲料にもお米をとぐにも野菜洗いにもいろいろ使われています。ご飯を炊いたお釜を洗ったあとに出るご飯粒を鯉は喜んで食べていました。集落には井戸端のような小さな屋根のある洗い場があり、人が集まっておしゃべりしながらの社交場になっていました。公民館には「案内します。どうぞ声をかけて下さい」との張り紙があり、何人かの観光客がガイドの方と歩いておられました。一時間ほどかかるとのことなので、私達は少し歩いて写真を撮り針江地区をあとにしました。




  次に高島市の南端の城下町である大溝へ向かいました。観光地図をいただいたら大溝城跡や城下町の街並みがあるとのことがわかりました。今までここに大溝城があることは何も知りませんでした。お城の近くに高島市民病院があり、その前に大溝城について書かれた案内板がありました。それには「はつの里、大溝城」と書かれています。私は驚きました。知りませんでした。織田信長の妹お市の方の三人の娘の次女がはつです。長女は豊臣秀吉の寵愛を受けた茶々(淀君)で、三女は徳川二代将軍秀忠の正室になった江姫です。はつは、京極高次のもとに嫁ぎ、夫亡きあとは仏門に入り豊臣秀頼最後の大坂の陣では、徳川方との和睦に力を発揮しました。先日NHKの大河ドラマ「眞田丸」でその場面が放送されたところです。以前の大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」で、三姉妹についていろいろ知ったのですが、はつの居城が大溝城ということは知りませんでした。石垣が残っています。三の丸のところまで市民病院が広がっています。琵琶湖の内湖である乙女ケ池を堀として利用しました。わずかに残る石垣は戦国の歴史を思わせます。お城の横には江戸時代に入って長く城主を務めた分部(わけべ)家を祀った分部神社もありました。








町を走っていると、城下町であったことがところどころに表れていることに気づきます。古い酒蔵や鮒ずしの老舗の店もあります。武家屋敷跡もあります。立派な古いお寺もあります。旧城下地区を流れる「町割り水路」は通りの真ん中に水路が造られ水が流れる珍しいものでした。大溝の水辺景観は、日本遺産重要文化的景観になっています。また今も五つの鉾が大切に守られ祭りが続けられているようです。







 今回のドライブでは、素晴らしいメタセコイア並木の紅葉とともに、湖西地方の知らなかった地理、歴史にふれることができました。

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