久しぶりに母の思い出の地を訪ねました。母の父は警察官をしていたのであちこちを回ったのですが、母が小学生の頃、数年この地で暮らしました。村の駐在所での暮らしです。母からその頃の話を聞いていたので、再度行きたくなったのです。
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名前の通りの美杉村です |
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名松線の踏切には運休中のロープがありました |
美杉村奥津は、現在三重県津市美杉町奥津になっています。名松線の終着駅です。伊勢本街道の奥津宿です。駅に立つと昔の賑わいが伝わってくるようです。駅周辺を歩いてみました。かつて駅前には映画館もありました。大手運送会社の支店もありました。駅前通りには郵便局、銀行、病院など、あったところに碑が立っています。現在は何もありません。空き地が並んでいるだけです。戦いすんで夢のあとのような幻覚を感じます。昔は旅籠もたくさんあったようですが、今はその名残りのような、伊勢本街道奥津宿と記された立派な暖簾が、各家の玄関にかけられています。
唯一駐在所だけありました。母が暮らしていたのは九十年も前のことです。建物は時代とともに変わっていることでしょう。今風の建物が建っていました。ここで母家族が短いとはいえ数年暮らしていたのだと思うと、感慨深いものがありました。きっと幸せな暮らしが続いていたことと思います。母は長年華道の師匠をしてきましたが、母の母もこの地でいけ花を教えていたと聞いています。山間の小さな村ですが、西日本から「お伊勢参り」の参宮街道であった伊勢本街道の宿場町で要所でした。
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新しい駅舎ですが来春まで運休です |
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終着駅の車止めです |
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汽車の時代の名残の給水塔です |
2009年10月の台風の影響で、一部区間が不通になっている名松線が来春復旧するそうです。今まで二度自動車で行っていた奥津へ、今度は名松線に乗って出かけようと思っています。見逃せない何かを得られるような気がしています。
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