2015年10月13日火曜日

お出かけ(3)奈良―2

 興福寺近くの東向商店街から三条通商店街を歩き、奈良へ来た時には必ず買うことにしている和菓子屋さんへ向かいました。三輪神社のそばに本店がある老舗です。知る人ぞ知る銘菓です。上品な甘さの最中で、私が出会ったのは四十年以上も前のことですが、甘党の私は大ファンになりました。
 
東向商店街

三条通り商店街


 そのあと「ならまち」を散策しました。ここもNHKの「ブラタモリ」で紹介されたところです。奈良の旧市街地、元興寺の旧境内を中心とした一帯を指し、その歴史は元興寺や興福寺の門前町だった奈良時代に始まります。近世以降は奈良を代表する商業地となりました。戦後は駅周辺の開発とともに住宅地に変わっていきましたが、三十年ほど前から町並み保存の活動によりよみがえりました。「古き良き生活風景と現代的な感覚が共存し、奥深い魅力を持つ町」とパンフレットに書かれています。ならまち資料館には、懐かしい生活用具や店の古い看板が数多く展示されています。若い人達には新鮮に感じ取れる古き時代のものでしょうし、年配者にとっては、子供の時に使っていたもの、見たものを懐かしむ感じです。「ならまち」を歩いていると、日本のどこにもあった町並みを思い出します。そしてその中に若い人達のセンスとやり方で、新しい店が古い建物を利用して行われています。
墨の老舗「古梅園」



元興寺の昔の礎石が家の中に

蚊帳の老舗

 次に世界文化遺産となっている元興寺(がんごうじ)へお参りしました。日本最初の本格的伽藍である法興寺(飛鳥寺)が平城遷都にともなって、718年に官大寺として新築移転されたのが元興寺で、現在では伽藍の大半は「ならまち」の下に埋もれてしまったとのことです。広い境内には、国宝となっている極楽堂や禅室、五重小塔があり、重要文化財は東門の他、数多くの仏像があります。庭には白や薄ピンクの萩が咲き、桔梗も咲いていたりと、行く夏と秋が重なっているようでした。

 
世界遺産「元興寺」



右寄りの瓦はわが国最古だそうです

 元興寺の次は「ならまち」の茶房でひと休みしました。町家をそのまま使っています。久しぶりに和室に座り足がしびれました。そのあと餅飯殿(もちいどの)商店街を通り、最近話題になっている老舗の本店を訪れました。1716年創業の「蚊帳」などの麻織物を作り続けてきたお店です。何年か前から若手後継者が、幅広く生活雑貨を扱い、ブランドを立ち上げ、全国に直営店を持ち、全国展開しています。京都にもあります。若い人、特に女性に人気があるようです。娘が麻生地の小さなポーチと木綿のタオルハンカチを買いました。夕闇せまる中、猿沢の池のほとりを歩き、帰宅の途につきました。 


話題の雑貨店本店



 以前奈良に住んでいた私ですが、仕事や育児、家事に追われ、奈良の町をゆっくり散策することはありませんでした。子供達が小さかったこともあり、いつも車で目的地へ行き遊ぶというようなレジャーの過ごし方でした。自分の足で歩き、その土地について見聞を広め、ゆったりした時間を過ごすという楽しみ方は、シニアにとっての極上の楽しみ方のように思いました。

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