我が家のまんたん(義母)が、有料老人ホームへ入所して二年が過ぎました。認知症と診断されて、記憶力には問題を抱えていますが、体はすこぶる元気です。九十歳を過ぎていますが、スタスタ歩く姿は、とても九十歳以上には見えません。ホームでのすべての催しには参加し、同世代の人達と仲良く楽しく元気に過ごしています。私達が仕事の都合であちこち飛び回る暮らしをしていたので、しばらくはまんたんも一緒にあわただしい生活をしていました。認知症による混乱がひんぱんに起こるようになり、医師から落ち着いた暮らしを勧められての入所となったのでした。ホームから毎月送られてくるまんたんの日々の暮らしについてのお知らせは「混乱が起こることもなく、食欲もあり、入所されている皆さんとのおしゃべりを楽しんでおられます」と書かれていて、家族としては本当に良い選択ができたと喜んでいました。
ところが驚きの事実を知ることとなったのです。先日「医療費のお知らせ」が届きました。そこには一ヶ月に3回も4回も医師の診察を受けたと記されています。入所する前から高血圧と認知症の薬をもらうために、月に一度は医師の診察を受けていました。しかし月に3回も4回も医師の診察を受けなければならないとは、どういうことなのでしょう。疑問に思った私は、ホームへ行った時に、ケアマネージャーに尋ねました。個人のファイルを広げて「特別何も起こされていないですね。医師の診察は受けておられますが」とのことでした。私は入所前の病院との関わりの状況を伝え「発熱や腹痛など特別なことが起こった時は別としても、顔を見てひとことふたことの声かけのような診察は極力受けたくないので、入所前のように月1回ほどにして下さい」と頼みました。「医療費のお知らせ」は、半年間で薬代と診察代で計三十万円です。このホームに入所されているのは、現在五十名ほどです。一人の開業医が一つのホームへ往診し、五十名ほどの高齢者を月に何度も診察したとなると、それだけで莫大な収入になります。この事実は高齢者を食い物にしているとしか思えません。高齢者ですから体の不調を持っておられる人が多いのは事実でしょう。しかしまんたんは、優等生のような体です。今までホームにも医師にも、すべてに100パーセントの信頼を寄せていた私は「医療費のお知らせ」をじっくり見ていませんでした。過去のことは言ってもどうしようもありませんが、これからはしっかりチェックし、意見要望をハッキリ言わねばと考えています。
超高齢化社会に突入している日本です。ますます高齢者は増大の一途です。国の財政も難しくなっていきます。国民は、国が、組織が、無駄使いしないように、目を光らせないといけないと痛感しています。
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