三重と京都間を走る時には、溢れる自然の中を通ります。山あり峠あり、田畑あり、そして四季折々の草花もたくさん見ることができます。私の好きな里山も続いています。先日は懐かしい花の群生に出会いました。アザミです。赤紫のアザミは、周囲の緑の草の中で色鮮やかに映えて、私たちの目をひきました。早速ポアロは、写真撮影です。アザミはキク科の野草です。子どもの頃にはよく見た花ですが、最近はあまり見なくなりました。
アザミの花は、懐かしい郷愁を呼び寄せます。そして懐かしい歌を、思い起こさせてくれます。「あざみの歌」です。若者たちが集まる歌声喫茶では、よく歌われていました。
「あざみの歌」
山には山の 愁いあり
海には海の 悲しみや
ましてこころの 花ぞのに
咲きしあざみの 花ならば
高嶺の百合の それよりも
秘めたる夢を ひとすじに
くれない燃ゆる その姿
あざみに深き わが想い
昭和24年に発表されました。豪華でも高貴でもなく、けなげに生きているあざみに、美と情熱の人生観が読みとれる詞と評されました。発表時は暗い世相でしたが、大衆はこの歌の叙情に、しっとりとした潤いを感じとったそうです。
たまにしか目にしないアザミの花を見て、過ぎ去った遠い日々を懐かしく思い出しました。
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