現役ピアニストの室井摩耶子さんは、現在九十九歳です。時々テレビで拝見していますが、いつも圧倒されます。ピアノの練習は、一日4時間、演奏会の前は一日8時間、一日も欠かさず続けてこられたそうです。一筋の道を邁進してこられました。八十五歳を過ぎてからパソコンを学び、ブログを書かれています。「長寿の秘訣は?」と質問されて、「毎日肉を食べること」と答えておられます。授かった命もさることながら、彼女のエネルギー、生きるパワーに脱帽です。
終戦後、本格的にリサイタル活動を始められ、エリック・サティの日本初演も彼女です。1956年、「モーツァルト生誕200年記念祭」に日本代表としてウィーンに派遣され、同年、第一回ドイツ政府給費留学生に選ばれ、ベルリン音楽大学に留学されました。著名な音楽家に師事されたそうです。中でもヴィルヘルム・ケンプ教授は、晩年までピアニストとして活躍されました。日本へも何度か来られています。私の学生時代には、レコードで彼の演奏をよく聴きました。今も大切に保存しています。ピアニストケンプの名前は、遠い記憶の中に残っています。室井摩耶子さんが、ケンプに師事されたということを知り、親近感を覚えました。彼女の言葉で「天才どもが残していった曲を、後世に伝える」というのがありましたが、さばさばした人柄にも魅力を感じています。百歳を超えてのピアニストの生きざまを期待しています。
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