駅ピアノの存在を知ったのは数年前のことです。確かフランスから始まったと記憶していますが、その時はユーチューブを見て感動しました。最近NHKのBS1で、世界の駅ピアノが放送されています。放送時間が決まっていないようで、番組と番組の隙間を埋めるような駅ピアノです。偶然見ることができてから番組表をチェックするようになりました。夜中に放送されたり、本当にまちまちの時間で放送されていて一定ではありません。
駅ピアノは、たくさんの人が乗り降りし利用する駅にピアノを置いて、誰でもピアノが弾けるように、「ピアノが弾きたい人はいつでもどうぞ」という趣旨で行われています。定点カメラが設置されているので、ピアノを弾く人の様子やコメントが映ります。音楽に国境はありません。たくさんある楽器の中でも、ピアノは誰にも馴染みある楽器です。音を出すことは容易です。赤ちゃんでも小さな手で、音を出すことができます。
映像に映る人達は、いろんな国の人達です。仕事もさまざまで、ホームレスの人もいます。私が観た時は、アメリカのロサンゼルス、チェコのプラハ、オランダのアムステルダムの映像でしたが、とても感動しました。日本社会ではあまり見ないような、ラフな服装の人がほとんどでした。気軽にピアノの前に座り、思い思いにピアノを弾きます。驚くのは、ほとんどの人が独学でピアノを弾いているのです。オリジナルの曲もあります。自分の想いをピアノで表現しています。長年ピアノに携わってきた私にとっては、目からうろこです。これこそ本当の音楽のように思えます。「好きこそものの上手なれ」です。映像に登場する人達は、皆さんピアノが大好きで、音楽が大好きで、心の中を表現しています。
コメントも哲学的です。
「音楽は自分のすべて」
「ピアノは自分のパートナー」
「ピアノに癒されている、救われている」
「いつでも夢を忘れない」
など、音楽に、ピアノに対する愛情と情熱が溢れています。
ある男性は「これまでの自分の人生には良かったものは何一つ無い。駅ピアノを弾いている時に声をかけてくれた女性と出会い、愛し合っている。駅ピアノが幸せをくれた」と言っていました。傍らにはその女性がいます。素晴らしい光景でした。映像には、様々な人生模様が映ります。音楽と人、ピアノと人との絆です。音楽の力、ピアノの力を再認識しました。私にとってもピアノはパートナーであり、嬉しい時、悲しい時、苦しい時、心の内を大きな心で受け止め、いつもそばにいて見守っていてくれました。大きな存在です。
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