2018年7月30日月曜日

甦る弥生時代


 先日京都の真ん中で遺跡発掘調査の現地説明会があったので出かけました。説明会は市民のために一日設けられ、所要時間は一時間でした。調査地は、平安京左京六条二坊九町跡及び弥生時代から古墳時代の集落跡である烏丸綾小路遺跡です。現在の地名は下京区油小路松原下るです。明治2年に開校された下京第十三番組小学校が始まりとなり、明治6年に旧園部藩邸があったここ現地に移転した京都市立醒泉小学校跡地です。少子化になったため三つの小学校が統合され、発掘調査が終われば新築工事が始まります。






 今回の調査では、弥生時代から江戸時代に至るまでの人々の営みを示す遺跡・遺物が確認できています。特に弥生時代中期初頭の集落遺跡は京都盆地では珍しく、竪穴住居や川の跡、そこから出土した土器・石器などは、人々の暮らしを具体的に示すもので、これらを発見したことは大きな成果と言われています。土器では甕・壺・鉢・高杯・蓋などがあります。石器の種類には石包丁や石斧などがありました。製作途中の未製品や石屑、製作工具である石錐・石鋸・砥石があることから、石器の製作や玉つくりが行われていたと考えられるそうです。




江戸時代、室町時代、鎌倉時代、平安時代を遡り弥生時代が甦ってきました。2300年ほど前の人々の暮らしが甦ってきました。現在の地表から3メートル下の世界です。刷毛できれいに土を取り除いていくという、気の長い発掘調査の大きな成果です。人の足跡がはっきりときれいに見ることができます。もみ殻もたくさん発見されたそうです。


 遠い昔が近くに感じられてしまいます。これからの発掘調査にも大きな期待を寄せています。

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