京都木屋町通りを流れる高瀬川に面して、京都市立立誠小学校があります。学制創設以前の1869年(明治2年)に創設された、番組小学校です。番組小学校は、京都の町衆たちによって、当時の住民自治組織であった番組(町組)を単位として創設されました。64の小学校です。1872年(明治5年)国による学校制度(学制)の創設に先立つ、日本で最初の学区制小学校です。時代の変化に伴い、少子化となって立誠小学校は1993年に閉校となりました。映画上映スペースやイベント会場として活用されてきました。京都では、いくつもの小学校が閉校となり、統合されたりしています。地域によっては、マンションが建って子供の数が増え、廃校となった小学校を新しく建て替えたりして目まぐるしく変化しています。そんな中でも、商業地域にある立誠小学校は新しい時代へと姿を変えます。本体の校舎は耐震工事をして、歴史的建造物として後世に残していきます。その周りにホテルなどの複合施設が、2020年に開業予定です。
今年の4月、以前はグラウンドだった場所にプレハブの仮設建物が建ち、1階に立誠図書館がオープンしました。本棚や机、いすは小学校にあったものを再利用しているとのことです。併設されたコーヒースタンドで購入したドリンクを飲みながらの読書もOKです。明治時代はこの場所に電力会社があり、日本で初めて映画の原型「シネマトグラフ」の試写実験が行われたそうです。映画発祥の地として歴史があります。卒業生には、歌舞伎界の重鎮の坂田藤十郎や中村玉緒、近藤正臣など各氏がおられます。写真が飾られていました。
約400年前、京都の豪商角倉了以が開削した高瀬川の水運とともに発展してきた地域です。図書館オープンの情報を得て、散歩がてら寄ってみました。入館無料です。高瀬川を見ながら、どこか懐かしさを感じる心休まるひと時でした。お気に入りの場所が、また一つ増えました。本体の校舎が完成したら、図書館も戻るとのことです。
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