2017年6月9日金曜日

映画「花戦さ」

 先日久しぶりに映画館へ行ってきました。映画館で映画を観るのは、何年ぶりのことかわからないほどです。たぶん二十年ぶりくらいだと思います。娘達が大学生の頃、映画館でアルバイトをしていたので何度も行ったのですが、それ以来ご無沙汰でした。映画館へ入り席に着くと、なぜかほっとしました。しばらくの間、映画だけに集中し没頭できるからだと思います。家のテレビで映画を観るのとは全然違います。


 広々空間とビッグスクリーンです。それが気持ち良く感じます。座席の座り心地も良い感じです。映像が映り始めました。宣伝と映画の予告に多くの時間をかけています。大きなスクリーンに大音響です。耳の良いポアロは、音が大きすぎると文句を言いに行ってこようかとぼやいています。うるさ過ぎると言い、ティッシュペーパーを耳に突っ込んでいます。聴力が落ちている私は、大音響の中に埋没しています。気になりません。私は久しぶりに映画を観るので、子供のようにワクワクして今か今かと上映開始を待っています。 



 今回観る映画は、「花戦さ」です。子供の頃から生け花に親しみ、生け花を身近に感じていた私です。母が、半世紀以上も携わってきた生け花です。母亡きあと、姉がそのあとを受け継ぎ頑張っています。数年前には、京都にある研修学院へ通った私です。華道家元三十一世池坊専好の花に生きる人生を描いた映画です。華道池坊は、今年五百五十五年の節目を迎えます。そこには長い長い歴史があります。池坊専好は、紫雲山頂法寺(通称六角堂)の僧であり、華道池坊の家元です。花をいける花僧です。戦国時代に活躍した専好(初代)は、立花(りっか)を大成させ、勇壮で迫力のある景色を眼前に広げる砂物と呼ばれる形の中で、大砂物をいけて武将たちを魅了します。映画の中で、織田信長や豊臣秀吉が驚く大砂物は、クレーンやドリルを使ってのダイナミックなものです。主人公の池坊専好を野村萬斎、心通じ合う利休を佐藤浩市、織田信長を中井貴一、豊臣秀吉を市川猿之助、前田利家を佐々木蔵之介、石田三成を吉田栄作が演じています。最後のシーンは、秀吉の権力に専好が生け花で立ち向かうというものです。天下人秀吉もうなるほどの、大砂物でした。この映画は、華道池坊が全面的に協力しています。映画が進行する中で、あっと思う瞬間がありました。華道次期家元池坊由紀さんが出演されていました。また京都市長も出ておられました。ほんの一瞬のことなので、あっと思った瞬間次の映像に変わります。音楽は久石譲でした。今年は六角堂が創建から1430年を迎えるそうです。日本文化の一つとして、生け花が永遠に続いていくことを確信しました。久しぶりの映画鑑賞はいいものでした。時々は行きたいと思っています。

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