梅雨真っ只中のお天気が続いていますが、六月も残すところあと数日となりました。京都の町を歩いていると、夏を迎える準備をされているのが目にとまります。京都では「設え」(しつらえ)という言葉をよく耳にしますが、今頃はちょうど夏の設えのようです。
実家では毎年父が設えをしていました。襖を取り外し夏の建具へ、衝立も夏用に、敷物もいぐさや竹のものに、座布団も夏座布団に、扇風機や団扇も出して、最後の仕上げは風鈴をいくつか掛けることです。
住宅事情も変わりました。マンションでは一年中襖です。洋室が増え、ドアなので取り替える必要はありません。冷暖房のエアコンがあるので、扇風機も補助的役割です。窓から入ってくる自然の風に揺れて、涼しげな音色の風鈴もぶらさげるところがありません。ベランダにぶらさげたら、うるさいと苦情が出るかもしれません。
時々テレビで目にする京町家では、昔ながらの設えをずっと続けてこられました。夏は夏、冬は冬、といった季節が変われば、それに合わせて人の住む家の中も変える、というきめこまやかな配慮を続けておられます。日本の原風景です。昔はどこの家でもそうしたように、日本の夏という光景です。京都の夏の設えを見て、昔の日本の夏を懐かしく思い出しました。
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本格的な特注すだれ |
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骨董屋さんにも風鈴 |
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老舗の甘味どころではかき氷(この店は冬もやっています) |
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店先にメダカ |
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こちらは金魚 |
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