2015年6月17日水曜日

ご近所のこと(12) 老舗

 京都には老舗がたくさんあります。老舗の経営哲学は、守るべきものは守りつつ、時代の変化に応じて新しいスタイルを創造し、提案するというもので「知恵の経営」として家訓や社訓で代々伝えられています。事業を継続し次世代に承継するために大切に守られ実践されているようです。 







 家の近くの寺町通りに鳩居堂があります。和紙、はがき、折り紙、便箋、香、筆、墨、書画用紙、茶道具、珍しいものとしては貝合わせなどを扱う専門店で、1663年の創業です。超一流の老舗です。ネットで鳩居堂の歴史やこだわりを知ることができます。店の前を通る時には、鳩居堂から流れ出ている心和む香のかおりに触れることができます。国内、国外を問わず、たくさんの観光客で賑わっています。
 以前私は進物用として、線香を何度か買ったことがあります。父は生前、香、文具、和紙などに趣味があったので、京都へ来た時には必ず鳩居堂で買い求めていました。

書道用具

和紙・千代紙・便箋

貝合わせ

千代紙の箱

張り子

絵葉書

色紙

香木

私達家族も父によく似た趣味を持っているので、月に一度は店内へ入ります。歴史ある老舗の伝統的な雰囲気の中に身を置くのも気が引き締まるようです。キョロキョロ見るだけでも楽しいものです。今回は季節絵柄のポストカードとプレゼント用のちりめんの小物を買いました。

 老舗として世の中に立ち続ける姿には、毅然としたものがあります。驚くのは日曜が定休日で、平日も六時には閉まります。老舗の中の老舗といった風格を感じます。店員さんといっても美術館の学芸員のような雰囲気を持っておられます。店も、そこで働く人も、老舗の誇りと自覚を持ち続けておられるようです。

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